トップメッセージ

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 2年目を迎えた5ヵ年の中期経営計画「Project 2020+」は、市場成長に合わせた事業ポートフォリオ戦略を着実に遂行し、成果を上げています。大幅な増益となった2017年前半を振り返り、目指す方向性を説明させていただきます。

 2017年上期の連結業績は、これまで推進してきました事業基盤強化施策の効果に加え、国内・海外経済の回復傾向を背景に、全部門で前年同期を上回る売上高を確保し、利益においても大幅な増益を果たしました。
 売上高は、製品市況の好調に加えてサンアロマー株式会社の連結子会社化が寄与した石油化学部門、ハードディスクの販売数量が増加したエレクトロニクス部門を中心に大きく伸長し、全体では前年同期比16.8%増となりました。これらの増収効果とともに収益性の改善が進んだ結果、営業利益は前年同期実績の3倍を超える350億円に達し、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、アルミナ事業の持分法適用会社に関する投資損失および貸倒引当金繰入額等の特別損失を計上したものの、それぞれ大きく拡大しました。
通期業績については、上期の実績および下期の見通しを踏まえて今年4月発表の予想数値を修正し、売上高7,620億円(前期比13.5%増)、営業利益600億円(同42.7%増)、経常利益435億円(同12.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益210億円(同70.7%増)を見込んでいます。

 当社グループは現在、2020年を最終年とする5ヵ年の中期経営計画「Project 2020+」を推進中です。本計画は、安定性を重視した変革を通じて「収益基盤の強靭化」と「個性派事業の拡大」を目指すものです。2017年は、事業別のポートフォリオ戦略として、市場拡大が見込まれる「成長加速」事業、「優位確立」事業については、事業規模の拡大を積極的に進める一方、市場成長が小さい「基盤化」事業、「再構築」事業については、利益率の向上に注力しています。
 上期の取り組みを振り返ると「成長加速」事業では、電子材料用高純度ガスおよび機能性化学品の生産能力増強を実行し、アルミ缶のベトナム中部とタイへの展開を決定しました。「優位確立」事業では、リチウムイオン電池材料の生産能力増強を実施し、パワー半導体用SiCエピタキシャルウェハーの高品質品の供給体制を強化させています。「基盤化」事業では、石油化学は誘導品触媒開発による生産性向上やコストダウンを、ハードディスクについては次世代技術開発を通じ、容量当たりのコスト競争力強化を図りました。なお、昨年10月に発表しましたドイツの黒鉛電極事業会社SGL GE社の株式取得について、現在、米国を除く関係各国の統合審査は終了しています。「再構築」事業では、セラミックスについて汎用向けのアルミナ事業を整理し、今後は高付加価値製品への特化により収益力を高めていく方針を打ち出しました。
 下期以降も市場成長に合わせた施策を継続し、市場変動による影響をより縮小させていく考えです。
 「Project 2020+」では、計画を始動した2016年から3年間の利益目標として、営業利益累計額1,430億円を目指しています。先に述べました通期業績予想における営業利益600億円を確保することで、収益性の向上を前倒しで実現し、2018年には累計額1,430億円を超過達成できるよう、各施策を着実に実行してまいります。

 「Project 2020+」では、「配当性向30%」を目途とする株主還元策を方針として打ち出しています。当社グループの足もとの業況は、収益力の改善を示しているものの、未だ十分な利益水準には達していないことから、当期の期末配当については、引き続き1株当たり30円を予定しています。
 当社グループは「すべてのステークホルダーを満足させる」会社であることをミッションと考え、その実現に向けて、「Project 2020+」に基づく成長戦略を遂行していますが、それらは、2025年を見据えた中長期的かつ持続的な視点から捉えたものです。これからも社会から期待される会社として存続していくために、「Project 2020+」に掲げる個性派事業の拡大に向け、全グループ社員が一丸となって取り組んでまいります。

 


 

2017年9月
代表取締役社長