トップメッセージ

 中期経営計画「Project 2020+」のもと、予想を大幅に上回る売上高・利益の拡大を果たした2018年前半。「収益基盤の強靭化」と「個性派事業の拡大」に向けた取り組みを振り返るとともに、今後のさらなる成長への方向性をご説明させていただきます。

 2018年上期の連結業績は、黒鉛電極事業が好調に推移した無機部門による牽引に加え、化学品部門、アルミニウム部門、その他部門も堅調に推移した結果、売上高・利益とも大幅に増加し、利益面は上期業績の過去最高を更新しました。
 売上高は、石油化学部門とエレクトロニクス部門の減収を、黒鉛電極の市況上昇と事業統合効果を受けた無機部門が大きくカバーする形で、前年同期比22.5%増となりました。利益面は、無機部門における増収効果に、化学品部門とその他部門による利益貢献が加わり、営業利益が同122.9%増、経常利益が同249.8%増、さらに特別損失が減少したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益が同641.8%増と著しい拡大を果たしました。
 下期においては、米中貿易摩擦や原油価格の高騰などの懸念材料もあるものの、黒鉛電極や半導体産業向け素材などの出荷は、好調を持続する見通しです。
 通期業績については、前述の上期実績と下期の見通しを踏まえて今年5月発表の予想数値を上方修正し、売上高9,850億円(前期比26.2%増)、営業利益1,700億円(同118.5%増)、経常利益1,670億円(同161.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,150億円(同243.6%増)を見込んでいます。

 中期経営計画「Project 2020+」は、2016年の始動から2年半を経て、目指すべき「収益基盤の強靭化」と「個性派事業の拡大」を着実に形にしてきました。特にグループ全体の収益力は、目覚ましく向上しています。2016年から2018年までの営業利益累計額で1,430億円を目指す「営業利益3ヵ年計画」は、すでに当上期で1,980億円に達し、当期末には目標の倍額となる見通しです。
 中期経営計画にもとづく当上期の施策では、電子材料用高純度ガスやアルミ缶など「成長加速」事業と、リチウムイオン電池材料やパワー半導体用SiCエピウェハーの「優位確立」事業の競争力強化に注力してきました。一方「基盤化」事業は、昨年10月に実施した黒鉛電極の事業統合を収益拡大に結び付けることができました。また「再構築」事業は、インドネシア・ケミカル・アルミナ社の株式譲渡合意により、懸案となっていたセラミックスの構造改革を進展させました。
 今年3月には、海外募集による自己株式600万株の処分を実施しました。当社は、本件による調達資金を黒鉛電極や電子材料用高純度ガスなど個性派事業の確立・強化に充てるとともに、事業ポートフォリオの改善や海外売上高比率の拡大など事業戦略推進の原資とし、財務体質のさらなる強化を図ります。
 なお当社グループは現在、2019年からの新3ヵ年中期経営計画を策定中です。具体的な計画内容は、今年12月中旬の発表を予定していますが、基本コンセプトとして「今がしっかりしていて、将来に期待ができる昭和電工グループ」を掲げていく考えです。そして、足もとのしっかりした状況から得られるキャッシュ・フローの最大化を図りつつ、成長投資へ有効活用し、M&Aなどの非連続施策の実行も含めて、個性派事業の拡大を目指します。
 拡大すべき個性派事業には「営業利益数十億円以上」「営業利益率10%以上」「環境変化への高い耐性」の3つの基準があります。これらの達成に向けて、適正な市場規模を確保し、市場における高いシェアを獲得していくことが、これからの重要なテーマと認識しています。
 今回、上期業績の好調を踏まえ、28年ぶりとなる1株当たり20円の中間配当を実施いたしました。期末配当については、当初の計画通り同70円の実施を予定しており、中間配当と合わせた年間配当額は、同90円となる見込みです。

 当社グループのミッションは「すべてのステークホルダーを満足させる」ことであり、その実現に向けて、これまで「足もとの今」を維持することに傾注してきましたが、この3年間は、市況の追い風も得て「足もとの今」がしっかりしてきました。次のステップでは「足もとの今」のレベルを一段引き上げ、バージョンアップさせることで、より高い満足につなげてまいります。

2018年9月
代表取締役社長

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