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ニュースリリース

光ファイバー通信向け化合物半導体の能力増強について

2001年2月8日

昭和電工株式会社(大橋光夫社長)は、光ファイバー通信向けに需要が急増しております化合物半導体InP(インジウムリン)事業の積極的・継続的拡大のため、秩父事業所(埼玉県秩父市、飯塚栄一所長)においてエピウェハー専用新生産棟の建設を行い、併せて InP単結晶ミラーウェハーおよびエピウェハー生産設備の増強を行うことを決定いたしました。本件は、既に推進中のInP3倍増設工事に上乗せする新たな増強工事です。

1.投資の背景

InPは、光ファイバー通信において、インターネット通信の伝送情報量を飛躍的に拡大したDWDM(高密度波長多重)方式の普及に伴い、そのキーデバイス用途として、特に2000年春から需要が急拡大しております。
InPを始めとする光ファイバー通信用デバイス全体の市場規模は、現在北米市場を中心に年率50%を超える勢いで拡大しております。今後、欧州、日本市場でもDWDM方式の普及により、年率40~50%の市場拡大が期待されます。また、光ファイバー通信の高速化に伴い半絶縁性InPミラーウェハーを基板とする超高速電子デバイスの需要が本格化しつつあり、更なるInP市場の拡大が予想されます。 当社は、InP多結晶、単結晶ミラーウェハー及びエピウェハーを一貫生産しており、特にMOCVD(有機金属気相成長)法を用いたエピウェハーは、品質、販売数量ともにトップメーカーです。

2. 投資の概要

新たにエピウェハー専用の新生産棟を建設し、併せてInPエピウェハーおよび同ミラーウェハー生産能力の増強を決定いたしました。新生産棟建設およびInP能力増強の投資額は、約20億円となります。

2-1.新生産棟の概要

  • 総延べ面積 =約3,000㎡
  • 総クリーンルーム面積 =約1,500㎡
  • 第一期建設完成時期: 2001年11月(今回のエピウェハー増設に対応)
  • 新生産棟の生産能力増強余地
    将来、新生産棟を用いて生産能力をフルに増強しますと、MOCVD法エピウェハーの生産能力は2000年年初比約10倍増となります。その場合の投資総額は、今回の増設も含め約90億円となります。

2-2.InP生産設備増強の概要

1) InPエピウェハー生産能力の増強
段階的な能力増強により、エピウェハーの生産能力を2002年年初までに、2000年年初比6倍に増強いたします。
2) InPミラーウェハー生産能力の増強
ミラーウェハーの生産能力を2001年10月までに、2000年年初比5倍に増強いたします。この内、2001年3月までに同生産能力を同上比2倍増といたします。

(ご参考)
現在進行中の能力増強工事 (2000年8月に発表済み)
現在、同事業所では既にInP能力増強工事が進展しております。この計画は、総額30億円の投資により、InPエピウェハ-及び同ミラーウェハーそれぞれの生産能力を、2001年夏までに2000年初比3倍増とするものです。

3. 投資による効果

今回の設備投資効果によりInPの売上高は、2000年の約20億円に対し、2001年40億円、2002年80億円、2003年100億円と漸次増加する見込みです。
また、化合物半導体事業全体では、InPの急増に加え、GaAs系光デバイス製品・電子デバイス製品の伸長により、2000年売上高の約150億円に対し、2003年には300億円規模まで成長する見込みです。 当社は、現在推進中の「連結中期経営計画(チータ・プロジェクト)」において、「電子・情報」部門を成長戦略事業と位置付け、集中的に経営資源を投入しております。化合物半導体事業において、今後とも世界トップレベルの事業規模と技術水準を維持すべく積極的な事業展開を図ります。

以上

(ご参考)

1. 当社の化合物半導体事業

  • (1)LED向け材料(ミラーウェハー、エピ、チップ) GaP(黄緑) GaAlAs(赤、赤外) AlInGaP(赤色~黄緑)
  • (2)光通信向けInP(インジウムリン:ミラーウェハー、エピウェハー)
  • (3)移動体通信用半導体向けGaAs(ガリウムヒソ:ミラーウェハー)

2. 用語について

光ファイバー通信用デバイス

発光素子 光ファイバー通信に用いられる電光変換デバイス。
受光素子 同上の光電変換デバイス。石英ファイバーの伝送損失の小さい波長域(1.3μm、1.55μm)の発光、受光にInP系材料が最適である。