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ニュースリリース

医療用余剰麻酔ガス分解処理システムを開発(世界初)

2002年4月16日

九州大学医学部附属病院(名和田 新院長)と昭和電工株式会社(大橋 光夫社長)は共同で、現在大気に放出されている、医療施設で全身吸入麻酔に使用された後の余剰麻酔ガス(亜酸化窒素(笑気ガス)と揮発性麻酔薬の混合ガス)を分解・吸着除去(99.5%以上;実績値)する装置(商品名:アネスクリーン 商標登録申請中)を、世界で初めて開発いたしました。

亜酸化窒素(N2O)は二酸化炭素(CO2)の約300倍の温暖化係数を有し、大気中では非常に安定(半減期、約150年)な物質であり、オゾン層の破壊も懸念される物質です。国内で排出される温室効果ガスに占める割合は全体の0.01%と極めて微量ですが、2002年3月に政府の地球温暖化対策推進本部が決定した改訂地球温暖化対策推進大綱により、亜酸化窒素にも1990年比0.5%減という具体的削減数値が定められました。
麻酔用途以外の排ガス中の亜酸化窒素除去装置は実用化されつつありますが、余剰麻酔ガスは亜酸化窒素の濃度が高い(大気への排出口付近で15%程度)上、揮発性麻酔薬が共存するという他と全く異なる組成であるため、余剰麻酔ガスの処理の実用化は難しいといわれておりました。

この度共同開発したアネスクリーンは、当社の有する分解触媒技術とシステム技術を生かし、九州大学大学院医学研究院麻酔・蘇生学 高橋成輔教授、九州大学医学部附属病院手術部 甲斐哲也副部長、鹿児島大学医学部麻酔・蘇生学講座 上村裕一教授のご指導の下、亜酸化窒素の分解除去と揮発性麻酔薬の吸着除去を可能とした、地球環境を保全する独自のシステムであります。 この装置の特長は、

  • 1.亜酸化窒素(N2O)を窒素(N2)と酸素(O2)に分解する。その際NOxは副生しない。
  • 2.揮発性麻酔薬を特殊な吸着剤に吸着・回収する。
  • 3.排出される余剰麻酔ガスにいつでも対応でき、瞬時に処理可能。
  • 4.コンパクトな設備、省スペース。(設置面積2m2)

本製品の製造は昭和電工(株)が、販売はグループ会社の昭和エンジニアリング(株)が担当し、5年後に年間10億円規模の売上を見込んでおります。

当社は、国内医療用亜酸化窒素市場の50%のシェアーを有するトップメーカーです。
本製品の開発により、当社は、医療用亜酸化窒素の供給のみならず、地球環境保全に配慮した余剰麻酔ガス処理までの一貫したサービスを顧客に提供することにより、顧客満足度の更なる向上に貢献することが可能となりました。
また、当社は現在推進中の「チータ・プロジェクト」、それに続く「プロジェクト・スプラウト」において、「アメニティーライフ」をターゲット市場と定め、成長戦略事業である特殊化学品事業に経営資源を集中投入しております。

なお、九州大学と当社は、4月18日より福岡市で開催される日本麻酔科学会第49回大会で本件を発表する予定です。

以上

参考写真


医療用余剰麻酔ガス分解・吸着除去装置
「アネスクリーン」