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ニュースリリース

ハロゲンフリーの耐熱「電磁波吸収シート」を開発

2004年7月1日

昭和電工株式会社(大橋光夫社長)は、高周波化・高密度実装化により高機能化・小型化が進む携帯電話やデジタルカメラ等の携帯電子機器から生じるノイズの抑制、製品の誤作動防止や不要電磁波の機器外放出防止に 最適な「ハロゲンフリー・耐熱電磁波吸収シート」の開発に成功し、この度、サンプル出荷を開始いたしました。

本製品は、既存品の最高レベルのノイズ抑制効果・難燃性・耐熱性を発揮しながら、ハロゲンフリーに対応したものです。

電磁波吸収シートは、重要性が高まるノイズ対策部品の一つとして、回路基板・部品上に貼付し使用されています。これまでの製品は、難燃性や高い充填性(*1)を保つために、ハロゲン系樹脂やハロゲン化合物を含有していましたが、環境への配慮および今後の化学物質規制動向から、ハロゲンを含有しないハロゲンフリー品の開発が望まれておりました。

本製品は、樹脂に分散させた磁性材料の磁気特性を利用することにより、不要電磁波の吸収およびノイズ発生の抑制に効果を発揮します。独自の樹脂組成物設計・加工技術と磁性材料設計・製造技術という有機・無機化学の技術融合により開発した高性能・高機能の電磁波吸収シートであり、次の5点の特徴を有しております。

  • ハロゲンフリー、アンチモン・鉛フリー、シロキサンフリー(*2)
  • 難燃性UL94V-0 (*3) 取得(厚さ0.1mm~0.5mm) ハロゲンフリーのシートでは困難であったUL94V-0の難燃性認定を、最小厚さ0.1mmまで取得
  • 既存品の最高レベルと同等のノイズ抑制効果
  • 耐熱温度130℃ LSIの高周波化に伴う発熱はもちろん、自動車のエンジンルーム内部品にも使用可能な耐熱性
  • 優れた柔軟性・加工性

また、電磁波吸収シートは、交通機関等の電子料金決済や近距離通信手段として利用され、大きな市場成長が見込まれる電磁誘導式非接触ICカード分野(*4)への採用も検討されております。
当社は、本製品の本格販売を年内に開始する予定であり、2010年に20億円の売上げを計画しております。今後は、高いノイズ抑制効果・耐熱性・ハロゲンフリーを保ち、更に薄い0.05、0.025mmの製品を開発し、電子機器の更なるコンパクト化に対応していく計画です。
当社は、現在推進中の連結中期経営計画「プロジェクトスプラウト」において、磁性材料を成長戦略事業と位置付け、積極的に経営資源を投入しております。磁性材料分野は今回の電磁波吸収シートの市場参入を機に、高熱伝導性無機フィラー技術や磁性薄膜形成技術等の当社保有技術の融合による特徴ある製品展開により、2010年の売上を50億円まで引き上げる予定です。

以上

  • (*1) 高い充填性
    基材となる樹脂に電磁波吸収効果のある磁性材を多く含有させることのできる性質。
  • (*2) シロキサン
    ケイ素化合物の一種。従来、ハロゲンフリー樹脂としては、シリコーンゴムが多く使用されていたが、その原料の低分子シロキサンが残留していると、気化しやすく、回路基板上での接点不良が起きる問題点がある。
  • (*3) UL
    米国の非営利機関で、幅広い範囲で安全規格を制定しているUnderwriters Laboratories Inc. の略である。UL-94は、プラスチック材料の難燃試験法であり、class V-0は最も高い難燃性を示すもの。
  • (*4) 電磁誘導式非接触ICカード
    電磁誘導式非接触ICカードは,情報の読み書きをするリーダー/ライターのコイルに電流を流して発生させた磁界で,ICカードが持つコイル状のアンテナに電流を電磁誘導発生させ,ICチップを動作させて、情報を読み書きする。ソニー株式会社のFeliCaカードによる、電子マネーEdy・JR東日本のSuicaはこの方式を採用している。
    * FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
    * Edyは、ビットワレット株式会社が管理するブランド名称です。
    * Suicaは、JR東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です。
(ご参考)