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ニュースリリース

新中期経営計画「プロジェクト・パッション」の策定について(骨子) -個性派企業の追求~社会貢献企業実現のために-

2005年11月29日

昭和電工株式会社(高橋恭平社長)は、このたび、2006年1月からスタートする新たな中期経営計画「プロジェクト・パッション」を策定いたしました。
「プロジェクト・パッション」は本年末で終了する現中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」での成果を踏まえ、企業価値をさらに高め、あらゆるステークホルダーに貢献する“社会貢献企業の実現”のための2006年から2008年までのアクションプランです。

1.「プロジェクト・スプラウト」の総括

2005年を最終年度とする3ヵ年(2003年~2005年)の中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」では、“「無機・アルミと有機の技術融合」による「個性派化学の確立」”をテーマに、個性的で競争力を持つ高付加価値製品群を育成強化することにより、成長を加速いたしました。
同時に、前中期経営計画「チータ・プロジェクト」以来推進してきた事業構造改革についても、事業売却、アライアンス等6ヵ年で47件にのぼる施策を実施しました。
これにより、以下のとおり、重要な計数目標については超過達成いたしました。

(表1)「プロジェクト・スプラウト」の計数結果
  2005年予想 スプラウト目標 達成度
営業利益(億円) 560 500 112%
営業利益率 6.9% 7.0%以上 ▲0.1ポイント
ROA 6.1% 5.1% +1.0ポイント
有利子負債(億円) 4,500 5,200 700億円超過達成
D/Eレシオ(倍) 2.28倍 3.00倍 超過達成
コストダウン 3年累計(億円) 211 200 106%

2.新中期経営計画「プロジェクト・パッション」のコンセプト

新中期経営計画「プロジェクト・パッション」策定の基礎は、2010年における昭和電工グループのターゲットイメージです。2010年に向けて企業価値をさらに高め、あらゆるステークホルダーに貢献する、社会貢献企業を実現します。そのため、広範な素材に関する技術に加えデバイス・モジュール等の新規技術を獲得し、個性的で競争優位性を持つ事業群を確立します(技術立社による個性派企業の追求)。同時に、強い企業体質を持ち、社会と市場での高い信頼と評価を得る企業グループを目指します。2010年時点の計数イメージは、営業利益1,000億円、営業利益率10%、デットエクイティレシオ1.0倍です。
この、2010年のターゲットイメージを実現するため、2006年から2008年までの3ヵ年のアクションプラン「プロジェクト・パッション」を策定いたしました。

3.「プロジェクト・パッション」の概要

「プロジェクト・パッション」では、長期的・持続的成長への基盤を確立いたします。そのため、下記の3点を重点項目として、施策を進めます。

  • 新規成長ドライバーの育成加速
  • 利益の持続的拡大
  • 財務体質の改善

(表2)「プロジェクト・パッション」の計数計画

  2005 2006 2007 2008
売上高(億円) 8,100 8,000 8,700 9,400
営業利益(億円) 560 620 730 850
営業利益率 6.9% 7.8% 8.4% 9.0%
ROA 6.1%     8.5%
有利子負債(億円) 4,500     4,000
D/Eレシオ(倍) 2.28     1.4

(表3)「プロジェクト・パッション」セグメント別の売上高と営業利益

(単位:億円)
  2005予想 2006計画値 2007計画値 2008計画値
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
石油化学 3,040 220 2,530 150 2,740 170 2,770 180
化学品 710 45 740 60 780 70 840 80
電子・情報 1,320 185 1,610 240 2,000 300 2,410 370
無機材料 610 85 670 110 680 110 700 120
アルミニウム他 2,420 90 2,450 110 2,500 140 2,680 170
全社・共通   ▲65   ▲50   ▲60   ▲70
合計 8,100 560 8,000 620 8,700 730 9,400 850

4.「プロジェクト・パッション」の事業戦略

「プロジェクト・パッション」では、“次世代テーマの創出”“育成”“成長ドライバー”“キャッシュカウ(基盤)”という一連の事業ライフサイクルを的確にコントロールすることにより持続的な成長を達成いたします。

 「プロジェクト・パッション」における事業ポートフォリオ戦略では、当社グループの事業を、グループの成長をけん引する“成長事業”とキャッシュカウとして成長事業を支える“基盤事業”に分類し、さらに成長事業は“成長ドライバー”と“育成”に分類することにより各事業のミッションを明確化します。そして、2008年時点では、営業利益の構成を成長事業40%、基盤事業60%といたします。

(表4)「プロジェクト・パッション」のポートフォリオ

  成長事業 基盤事業
育成 成長ドライバー キャッシュカウ
石油化学     オレフィン
有機化学品
特殊高分子
化学品 ライフサイエンス ファインケミカルズ   アンモニア
基礎化学品
(産業ガス、無機工業薬品等)
電子・情報 超高輝度LED
キャパシタ
ハードディスク
半導体プロセス材料
既存化合物半導体
レアアース
無機材料 ファインカーボン   人造黒鉛電極
汎用セラミックス
アルミニウム他     コンデンサー用高純度アルミ箔、アルミニウム缶、熱交換器、合金、汎用及び高純度アルミ素材

(1) 成長ドライバー:確立された事業モデルによりグループの成長をけん引

  • ハードディスク
    当社は、ガラス・アルミ両素材のハードディスクを生産する世界最大の外販メーカーとして確固たる地位にあります。今後、当社の技術力により最先端製品をいち早く市場に投入することにより、ますます増加する需要に対応し生産能力の増強を図ります。
    本年当社は、次世代技術である垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの世界初の量産化と、世界最小となる0.85インチサイズハードディスクの量産化を実現しました。2010年までに0.85インチサイズで40ギガバイトの記録を可能とするハードディスクの開発を推進するため、2006年4月完工の予定で新研究棟を建設いたします。
    また、年率15%以上の伸びが見込まれる需要に対応するためシンガポールに第4工場を新設し、2006年11月に操業を開始する予定です。この新工場を含め、世界4拠点で生産能力の増強をはかり、2006年3月時点で月産1,375万枚の生産能力を、2008年には同2,400万枚まで引き上げる予定です。
  • 半導体プロセス材料
    半導体の高性能化を支える高純度特殊製品においては、世界シェア30%を占める高純度アンモニアをはじめとする高機能・高付加価値製品のラインナップをさらに充実するとともに、新規材料開発によるトータルソリューションの提供を行います。
    具体的には、高性能エッチングガスであるC4F6や次世代CVD成膜材料、次世代クリーニング材料等、お客様のニーズにこたえる新規材料の開発・市場投入を進めてまいります。
    これらにより、本年190億円の売上高を2008年には300億円まで、引き上げます。

(2) 育成:選択・集中とマーケティング強化により成長加速

  • 超高輝度LED
    当社は、本年11月、緑色及び紫外の超高輝度LEDの製品化に成功し、世界で初めて紫外から赤外までの全波長領域にわたる超高輝度LEDを1社で供給することができるメーカーとなりました。当分野は、液晶バックライト・自動車ヘッドライト・一般照明などの需要拡大が見込まれます。これら新市場での拡販により、高輝度LED事業は2008年の売上高を200億円とします。
  • 機能性高分子コンデンサー
    「無機」・「有機」・「アルミ」の技術融合の成果である機能性高分子コンデンサーは、現行製品のさらなる『高電圧化』・『小型化』を進めるとともに、新規材料による『高容量』コンデンサーの事業化を行います。これらにより2005年20億円の売上げを2008年には100億円まで引き上げます。

(3) 次世代テーマ創出:ターゲットマーケットを対象とする新たなSMUを設置

「プロジェクト・パッション」期間中に、2009年以降ポートフォリオに織り込まれる次世代テーマの創出を推進します。新たに6つのSMUを設置し、経営資源の重点配分と研究開発の加速化により、2010年にはこれらの次世代テーマの事業化による全社営業利益への貢献を1割とすることを目指します。

6つのSMUと主要なテーマは次のとおりです。

  • 半導体デバイス(SiCパワーデバイス、GaN・InPデバイス他)
  • エネルギーデバイス(燃料電池、電気二重層キャパシタ他)
  • ディスプレイ・照明モジュール(有機EL、バックライト、LED照明他)
  • IT・ケミカルズ(成膜材料、レジスト、光学材料他)
  • 自動車部品(高機能熱交、軽量化材料・部品他)
  • 環境エネルギー(CO2利用技術、触媒技術他)

(4) 基盤:さらなる競争力の強化をはかり成長戦略を支えるキャッシュカウ事業

  • 石油化学
    製造プロセス、触媒技術、運転技術の高度化を進め、クラッカーの原料多様化や留分の高付加価値化、触媒のさらなる改良・強化により、当社大分をアジアでトップクラスの収益力を持つ“個性派コンビナート”といたします。これらの施策により、2008年における当事業の営業利益を180億円といたします。
  • 無機材料
    人造黒鉛電極は、世界トップクラスの品質とコスト競争力の一段の向上に努めるとともに、大口径電極の量産体制を確立することにより、安定収益を実現いたします。また、セラミックス事業は、日本・中国2製造拠点によりアジア地区での研削材トップサプライヤーとして、その地位を確固たるものとします。これらの施策により、2008年の当事業の営業利益を120億円といたします。
  • アルミニウム
    コンデンサー用高純度箔、LBP用シリンダー、ショウティック等優位性を持つ事業への積極投資による高付加価値事業の拡大・強化、新型熱交換器(NRTIII等)や中国自動車市場での拡大による熱交換器事業の収益性回復、工程改善による徹底したコストダウン等の着実な実施により、個性的で競争力を持つアルミニウム事業群の実現を図ります。このため、「プロジェクト・パッション」期間中に220億円の強化投資を実施します。これらの施策により、2008年の当事業の営業利益を170億円といたします。

(5) 設備・研究開発投資戦略

「プロジェクト・パッション」による成長戦略を実現するための設備・研究開発投資は次のとおりです。

3年間累計の設備投資計画 2,000億円 (内、成長事業60%)
同   研究開発投資計画 700億円  

(6) キャッシュフロー

「プロジェクト・パッション」期間3年間累計のキャッシュフローは次のとおりです。

営業キャッシュフロー 2,600億円
投資キャッシュフロー ▲2,000億円
フリーキャッシュフロー 600億円