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ニュースリリース

カーボンナノチューブ新グレード「VGCF®-X」の量産を決定

2009年1月19日

-米国ハイペリオン社と提携 伸長が著しい樹脂複合材用途へ本格進出-

 昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、樹脂複合材分野向けに最適の製品設計を行ったカーボンナノチューブ「VGCF®-X」の開発に成功し、今般、本製品の量産設備を当社大分コンビナート内に建設することを決定しました。

【樹脂複合材用カーボンナノチューブVGCF®-Xの特長】

 当社独自の触媒技術と長年培ってきた合成技術により開発されたVGCF®-Xは世界最高水準の導電性能と分散性を持つカーボンナノチューブであり、従来から使用されているカーボンブラックやカーボンファイバーの1/5~1/10の添加で樹脂に同等の導電性を安定して付与することが可能となります。

 半導体やハードディスクを生産するクリーンルーム内では、搬送部品の汚染防止や空気清浄度の保持のために、導電性を持つ樹脂製の部品搬送器具を使用し静電気の発生を抑えています。最近では半導体の微細化やハードディスクの高密度化により、より高機能の搬送用樹脂器具が求められており、少量の添加により安定性の高い導電性の付与を可能とするVGCF®-Xは、お客様から非常に高い評価をいただいております。また、VGCF®-Xの優れた特性は自動車分野での樹脂製品や塗料用途でも好評をいただいております。

【米国ハイペリオン社との提携】

 今回の量産の決定に際し、カーボンナノチューブの複合材分野で材料・用途などに関する多数の特許をもつ米国ハイペリオン社とクロスライセンス契約を締結いたしました。カーボンナノチューブの量産化技術や品質設計などにおいて世界の先端を行く当社と複合材分野での実績を持つハイペリオン社との提携は、今後需要の大きな伸びが期待される複合材分野における国際的かつ主導的な地位を確立するものです。また、お客様の利便性を考慮しハイペリオン社の製品を一部購入する体制を整えることにも合意いたしました。さらに、将来は両社による共同研究開発の実施も検討しております。

【VGCF®-X量産設備の概要】

 当社大分コンビナート内に設備を建設することにより、コンビナートの既存ユーティリティーを活用し、世界最高レベルのコスト競争力を持つ生産体制を構築いたします。

着工(予定):2009年3月
操業開始(予定):2010年初
設備設置場所:当社大分コンビナート内
年産能力(予定):年産400トン

【当社カーボンナノチューブ事業の経過】

 当社は、カーボンナノチューブを発見された信州大学 遠藤守信教授のご指導をいただき、1982年よりVGCF®の開発を開始し、1988年に量産技術を確立、1996年に年産20トンでの商業生産を開始しました。これまでリチウムイオン電池の添加剤として主に使用されており、電池の耐久性などの機能向上が図られることから、2007年には年産100トンの生産体制を整備し販売を行っております。

 また、リチウムイオン電池、樹脂複合材用途以外にも、複合材用のグレードであるVGCF®-Sを用いた「石油資源探査・採掘用超高性能複合ゴム」を2008年9月に遠藤教授と共同で開発するなど、新たな用途開発も推進しています。  当社は、VGCF®を中心とするファインカーボン事業を成長事業として位置づけ、積極的に育成・強化を行ってまいりました。今後もリチウムイオン電池、樹脂複合材用途の他にも新たな用途開発を進めていくことにより、2015年に400億円の売上高を目標として、引き続き事業強化を図ります。

以上

〔当社のカーボンナノチューブVGCF®グレード〕

〔米国ハイペリオン社 概要〕

Hyperion Catalysis International, Inc. Cambridge, MA 02138, USA
1982年設立。
1983年よりカーボンナノチューブFIBRIL™ の生産を開始。

◆ お問い合わせ先:
IR・広報室 03-5470-3235