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ニュースリリース

世界最高出力 植物育成用4元系赤色 LED素子を開発

2009年4月2日

昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、植物育成に最適な波長光を発する4元系(四つの元素から構成される)赤色LED 素子の開発に成功しサンプル販売を開始いたしました。本製品により植物育成に最適な波長660nmの光を発する赤色LED素子として世界最高(※1)の発光出力(※2)を達成したことから、最近注目を集めているレタスなどの野菜を人工光で栽培する植物工場等への用途が今後大きく期待されます。

1.植物工場とは

 植物工場とは、外界の環境から切り離された施設内において、光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養分の条件を人工制御し、季節や場所に関係なく野菜等を多連続生産する仕組みです。実用化の研究が進み、最近では、日本全国で20~30の植物工場において事業展開が行われています。植物工場は、気候変動に左右されない安定的な食料生産体制、多毛作による高い食物生産性、害虫・病気の被害を受けないことによる無農薬化等の数多くの利点から、今後飛躍的な拡大が予想されています。

2.赤色光による植物成長の促進効果とこれまでの課題

植物工場において使用される人工光に関する最近の研究成果として、波長660nm付近の赤色光を植物に照射すると、光合成反応の効率が高まり成長が大きく促進されることが解明されています。
現在、蛍光灯、ナトリウム灯、3元系(三つの元素から構成される)赤色LED素子を使ったLEDランプが植物工場で使われる光源として採用されています。しかしながら、これらの光源の問題点としては、蛍光灯やナトリウム灯の場合、660nm付近以外の波長光も多く発すること、3元系LEDランプの場合、発光出力(※2)が小さいため多数の素子を使用しなくてはならないことが挙げられ、その結果、エネルギーロスや高コストの解消が課題となっていました。
一方、従来技術による4元系LED素子は、最長波長が650nmであったため、植物の成長促進用に適する波長660nmの高出力製品をラインナップすることができていませんでした。

3.新開発の4元系赤色LED素子の特長と期待される効果

今般販売を開始した赤色LED素子の特長としては、(1)4元系の赤色LED素子として初めて波長660nmの発光層を独自技術により開発したこと、(2)660nmのLED素子として世界最高の発光出力11mWを達成したこと、さらに(3)素子電極の形状と配置並びに素子表面の処理などの当社の最新技術を施すことにより、LEDランプの外部量子効率(※3)が高出力の3元系製品に比べ約3倍(当社比)となったことが挙げられます。本製品の採用により、3元系LED素子と比較して、同等の明るさを得るために使用される電力を約70%削減することが可能となり、植物育成コストの引き下げ、省エネルギーに寄与することが期待されます。また、光源から発生する熱量も低減されることで、植物成長環境の向上にも貢献できます。当社は今後、マーケティング活動を本格的に開始するとともに、より一層の性能向上に努め、お客様の多様なニーズにお応えしてまいります。

当社は現在推進中の経営計画「パッション・エクステンション」において、超高輝度4元系LED素子(赤色)や窒化ガリウム系LED素子(青・緑色)事業を“成長ドライバー”と位置づけており、積極的な経営資源の投入により、企業価値向上に邁進してまいります。

  • ※1世界最高:2009年4月現在当社推定、(駆動電流=20mA)
  • ※2発光出力:LED素子から放出した光エネルギーの大きさ(単位:W)
  • ※3外部量子効率:投入電気エネルギーに対して、外部へ放出される光エネルギーの割合(単位:%)

以上


〔超高輝度4元系LEDランプ〕


〔本LED素子を組み込んだLEDランプ〕

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IR・広報室 03-5470-3235