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ニュースリリース

世界最高水準の表面平滑性をもったパワー半導体用SiCエピタキシャルウェハーの量産に成功

2009年12月8日

- 電気自動車等エコカー搭載用次世代インバーター実現に大きく寄与-

昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、このたびウェハー全面が世界最高水準の表面平滑性を持つ4インチ径のエピタキシャルウェハーの量産に成功いたしました。今回のSiCエピタキシャルウェハーは、従来品の表面粗度(表面の凹凸)1~2.5nm(ナノメートル)と比べ、粗度が0.4nmであり平滑性は最大で6倍近く向上いたしました。

SiCエピタキシャルウェハーとは、SiC(炭化シリコン)基板の表面上に単結晶SiC層を成膜させた半導体材料であり、当社では生産・販売を本年1月より開始しております。SiCエピタキシャルウェハーを用いたパワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)半導体を凌ぐ性能を持ち、例えば、自動車・鉄道車輌・産業機器・家電機器等さまざまな分野においてモーターの回転制御等に利用されているインバーター(直流電流から交流電流に変換する装置)の主要な部品としての利用が期待されています。

次世代インバーターに組み込まれるSiCを使用したパワー半導体には、既に市販されているSBD(Schottky Barrier Diode、ショットキーバリアダイオード)と、開発が進められているMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)とがあります。特にMOSFETはエピタキシャルウェハー表面に形成する酸化膜をデバイス動作に用いることから、ウェハー表面の平滑性が重要ですが、従来のSiCエピタキシャルウェハー表面はステップバンチングと呼ばれる凹凸が存在し、良質な酸化膜を得ることが困難とされていました。今回、開発した高平滑表面を持つSiCエピタキシャルウェハーは、SiC-MOSFET及び次世代インバーターの早期実現に向けて寄与するものとなります。

次世代インバーター等に使われるSiCパワー半導体は、現在主流のSi半導体に比べて、高温動作が可能で、高電圧大電流に耐えられる性質を持ち、自動車、鉄道車輌、産業機器、家電機器等の電力制御部品の軽量化や小型化に寄与します。また、電力制御の過程でのエネルギー損失も現状のSi半導体より1/10近くまで抑えられるので、省エネルギーが可能となります。これらの特長から、SiCインバーターは、電気自動車やハイブリッドカーといったエコカーへの搭載により低炭素社会の実現に大きく寄与するものとして期待されています。

当社は、SiCエピタキシャルウェハーの一層の大口径化、低欠陥化及び特性均一化の向上に加え、さらなる製造コスト低減に取り組むことで、大電流・高耐圧 SiCパワー半導体普及に寄与するとともに、本格的な実用化が想定される2012年までにお客様からのご要請に的確に対応できる供給体制を構築いたします。

以上

(ご参考)

(1)SiC製SBD並びにMOSFETの概念図

(2)SiCエピタキシャルウェハー外観(左から順に2、3、4インチ)

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