ニュースリリース

パワー半導体用SiCエピウェハー 高品質グレードの生産能力増強
-HGEを量産、フルSiCパワーモジュールの実用化に貢献-

2016年6月9日

昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、パワー半導体の材料である炭化ケイ素(以下、SiC)エピタキシャルウェハー(以下、エピウェハー)の高品質グレード「ハイグレードエピ(以下、HGE)」において、月産3000枚(注1)の生産体制を確立し、量産を開始しました。
HGEは、昨年10月に当社が開発した、結晶欠陥を大幅に削減したSiCエピウェハーです(注2)。昨年10月の上市以降、国内外のデバイスメーカーへのサンプル出荷に積極的に取組み、良好な評価を得ています。HGEでは、代表的な結晶欠陥である基底面転位(注3)を0.1個/cm2以下に抑えることにより、SiC-MOSFET(注4)の信頼性向上に寄与します。また、従来技術では生産困難と言われていたバイポーラデバイス向けの厚膜(注5)およびp型(注6)エピウェハーも、低欠陥化技術の確立によって量産可能となりました。当社が販売する厚膜HGEは、発電・送電系統向け超高耐圧デバイスであるSiC-IGBT(注7)開発に大きく貢献するものと期待されます。
SiCパワー半導体は車載での早期実用化も検討されており、SiCエピウェハーの市場規模は、2025年に1,000億円規模に拡大すると予想されています。当社は今後も市場の高品質化要求に応え、省エネルギー化に貢献してまいります。

以上

  • (注1)1200V耐圧用デバイス仕様での換算。
  • (注2)ご参考 : 2015年10月2日当社プレスリリース「欠陥密度を大幅低減したパワー半導体用SiCエピウェハーを販売」
  • (注3)基底面転位…SiC単結晶の基底面に発生する転位。
  • (注4)MOSFET…金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)
    駆動時の電力ロスが小さく、高速スイッチングを行う論理回路に適している。
  • (注5)超高耐圧デバイスとして100μm以上の膜厚が必要となる。1μm=1000分の1mm
  • (注6)p型…半導体における電気伝導の型で、多数キャリアが正の電荷を持つ正孔(ホール)の場合をp型、
    負の電荷を持つ電子の場合をn型と称する。
  • (注7)IGBT…絶縁ゲートバイポーラ・トランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor)
    MOSFETの高速スイッチング性能とバイポーラ・トランジスタの高電圧・大電流処理能力を併せ持つ。

〈ご参考〉
1cm2あたりのHGEの欠陥密度

 4インチ品6インチ品
30μm 100μm 30μm
表面欠陥 表面欠陥、従来品
0.04個

0.33個

0.04個
基底面転位 基底面転位、従来品
0.02個
 
0.01個

◆ 報道機関お問合せ先:
広報室 03-5470-3235

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