環境マネジメントシステム

基本的な考え方・方針

レゾナックは、化学企業として有害物質や廃棄物・汚染物質の排出を最小限に抑え、排出事業者責任を全うすることはもちろん、私たちのビジネスが環境に対して与える影響を適切に評価し、その結果に基づいた環境保全を図ります。そのために当社は廃棄物、水質汚濁、大気汚染、土壌汚染、騒音・振動などのさまざまな環境リスクについて、サプライチェーン全体での監視体制と実効的な環境リスク管理体制の整備に取り組み、環境マネジメントの継続的な改善を行っています。

推進体制

レゾナックの環境境保全活動及び環境リスク対策の最高責任者は代表取締役社長であり、事業部・事業場ごとに環境保全に取り組み、本社スタッフ部が支援する体制をとっています。経営会議との環境に関する情報共有、そして経営会議から全社への指示は、定期的に開催される安全会議にて行われ、各事業場に展開されています。また、各事業場では、事業場長と環境安全責任者が中心となって、環境安全行動計画として立案された内容を基に、環境保全管理に関する活動を推進しています。

環境マネジメントシステムの運用

レゾナックでは拠点ごとに“環境マネジメントシステム”の認証を取得し、事業場内の環境に関するリスクを適切に低減・管理するとともに、マネジメントシステムを継続的に改善することで、環境汚染発生の可能性やそれに伴う経営リスクの低減を図っています。このシステムは、外部認証機関による定期的な維持・更新審査を受審し、最新化を図っています。また運用に当たっては、事業場一体となってPDCAを回すことにより、活動をより活性化させるように取り組んでいます。

戦略

レゾナックは、以下の4項目を重視して、環境への取り組みを進めています。本項目は当社グループの行動規範である、「私たちの行動規範 第4章 環境問題への取組み」にも掲げ、全従業員の規範としています。

  1. 1. 環境リスク対策の推進

    環境リスク及び機会、順守義務を特定し、確実・適切に対応するため、実施体制や資源の確保、教育、コミュニケーション、監視測定、緊急事態への準備対応、内部監査等を含む環境マネジメントシステムを構築・実行し、継続的な改善を図ります。

  2. 2. 気候変動への対応【関連SDGs No.7,13】

    カーボンニュートラル実現に向けて、省エネルギー推進や設計開発から廃棄までの製品ライフサイクル全体を通じて温室効果ガスの排出削減に努め、地球温暖化防止に取り組みます。

  3. 3. 循環型社会の実現【関連SDGs No.6,12】

    天然資源の消費の削減、3R(*)の推進に取組み持続可能な循環型社会の実現を目指します。
    (*)3R:発生抑制(リデュースReduce)、再使用(リユースReuse)、再生利用(リサイクルRecycle)

  4. 4. 生物多様性保全への取組み【関連SDGs No.14,15】

    生態系に与える影響を評価し、森林、土壌、水、大気、生物資源などの自然資本の活用を持続可能なものとするため、化学物質の排出削減、汚染の予防、環境保護などの生物多様性保全活動に取り組みます。

目標

2023年度の目標と施策は下記のとおりです。

KGI(Result of KPI) 施策① (KSF*1 施策②(SKSF*2
2030年目標 2023年目標
環境異常ゼロ 環境異常ゼロ 環境リスクの管理 リスク及び機会の決定と取組み計画の運用
(環境活動の優先順位付けの仕組み)
老朽化設備の更新、監視計器の維持・増設(投資計画の策定と運用)
順守義務の特定と順守評価 法定報告(省エネ法、温対法、フロン排出抑制法等)
環境関連法令違反
ゼロ
環境関連法令違反
ゼロ
環境関連法順守の強化 法定資格者、後継者の育成
(教育計画の策定・運用)
GHG排出量(Scope1&2)
2013年度比30%削減
ビジネスユニット単位でのGHG排出量の把握と事業戦略を加味したロードマップの策定・実施 GHG目標/活動計画の設定と進捗管理
産業廃棄物埋立処分率
国内:0.5%以下
海外:5.0%以下
国内:0.5%以下
海外:20.0%以下
廃棄物発生量の正確な把握とリサイクルの推進 埋立処分率目標/活動計画の設定と進捗管理
水の有効利用
(水リスクへの対応)
取水量、水リスクの把握と効率的利用の推進 管理項目と定義の明確化
水使用データの適正把握
化学物質排出低減
(適正な管理対象物質と指標による排出管理)
化学物質量大気排出量の低減 取扱量、排出量、算出方法の確立把握
管理対象物質の選定
化学物質取扱量・排出量の適正把握
  • *1 KSF=Key Success Factor
  • *2 SKSF=Sub Key Success Factor

環境リスクの低減

レゾナックでは、化学物質の流出や有害物質による環境汚染など、人の健康や環境に悪影響を与える重大な環境事故*の発生ゼロを目標として、下記の取り組みを実施し、環境リスクの低減を図っています。
2022年は、重大な環境事故は発生していません。

  • * 重大な環境事故:法規制値・協定値を超えた排出等により、人の健康又は自然環境に被害を生じさせた以下のいずれかの事態を伴う事象
    ①身体への刺激や体調不良等により救急搬送されたもの ②第三者の生活や事業活動、自然環境に被害が生じたもの
    ③外部に援助要請を行うもの(公設への通報以外)④報道(全国的なメディアによる)の対象となるもの
  • 最新の環境法令改正情報をグループ社員に教育、各拠点での内部監査を実施
  • 本社環境安全監査による事業所の環境法令遵守状況の確認
  • 環境リスクアセスメントの実施
  • 事故発生時の対応マニュアルの策定(事故対策本部の設置を含む社内体制、情報伝達経路、社内外への連絡・周知など)と訓練の実施
  • 環境事故トラブル情報の共有と水平展開
  • 過去の事故・トラブルを解析して同一トラブルの再発を防止する “創る安全”活動*推進
  • 土壌・地下水の汚染を防ぐため、事業場敷地の用途変更や土壌搬出などの機会を捉え、土壌汚染対策法および自治体の条例に則った調査、措置を実施
  • * “創る安全”活動:社内外の過去の事故・災害を解析し、得られた教訓を“創る安全チェックリスト”としてまとめ、リスク抽出の視点や教育資料として活用することで繰り返し事故を防止するための取り組み

重要項目(KPI)の目標と実績

重要項目(KPI) 2025年目標 2022年実績
環境事故ゼロ 環境事故発生件数ゼロ(連結) 0件(連結)

土壌汚染対策について

2020年10月、福島県喜多方市の生産拠点において、過去の事業に起因して、事業所内の地下水から基準値を超えたフッ素などが検出されたため、土壌汚染対策法に基づく環境対策工事を実施しています。

新潟水俣病について

1965年に公式確認された新潟水俣病に関し、旧 昭和電工の排出物質による阿賀野川汚染により、被害者および周辺地域の方々には多大なるご迷惑をおかけしました。当社はこの問題の解決を図るべく、国や地方自治体とも連携を取りながら、公害健康被害の補償等に関する法律をはじめとする法令などに則り、今後も誠意をもって対応していきます。

環境教育

レゾナックでは、国内の全グループ会社を対象としたさまざまな環境関連教育を計画し、実施しています。2022年は環境関連法規制研修や内部監査員研修などをオンライン形式で実施しました。グループディスカッションを中心としたコミュニケーション重視の研修を行い、理解度を確認しながら進めています。

本社主催 2022年:環境関連研修会

開催日 研修会名 対象者 出席者数
2022年2月 ISO14001規格解説研修 事業場希望者 29名
2022年3月 ISO14001内部監査員フォローアップ研修 事業場希望者 7名
2022年4,8月 ISO14001内部監査員研修(オンライン形式) 事業場希望者 52名
2022年3,5,9月 環境法令研修会 事業場希望者 148名

環境管理に関するコミュニケーション

各事業場の近隣住民の皆さまには、事業場見学会や意見交換会、事業場版CSRレポートなどを通じて運営状況をお知らせし、定期的に対話を行っています。近隣住民の皆さまからのご指摘、ご意見はレゾナックグループほっとラインでも受け付けています。