トップメッセージ

変化を恐れず、個性派企業として
サステナブルな成長を目指します

昭和電工株式会社
代表取締役社長 森川 宏平

マーケットは変わる、お客様も変わる、しかし技術は変わらない

私は「変わる」「変える」「進化」という言葉が好きで、経営においてそれを実行したいと思っています。
化学業界は製造業であり、時代の変化とともに作るものも変わります。お客様も市場も常に変わっていく業界です。我々のビジネスは、クライアント企業が時代に対して表現したいものに必要な素材を提供していくことです。その中で化学企業が生き残っていくために必要なのは技術力にほかなりません。
市場の変化のスピードが速くなり、市場が求めているものも非常に複雑になり、そして業界自体が衰退したり新たな市場が創出されたりする中で、化学企業は作るものが変わってもその「役割」はなくならないと考えています。そういった持続可能な業界だからこそ、しっかりとした技術力があれば、市場の変化に合わせ自身も変化することができるはずです。

では今後、昭和電工グループはどう変わっていく必要があるか。
それは、お客様の課題解決に対する提案力を強くするために、分かりやすくいうと「作る」化学だけではなく、「混ぜる」化学も得意とする企業になるということです。
「作る」化学というのは、例えばアンモニアやエチレンなど、構造式が分かっているものを指します。反対に「混ぜる」化学というのは、塗料や化粧品のような素材が混ざって構造式が明確に示せないものです。
昨今の市場では、構造式が明らかなものも依然として求められていますが、お客様の求める機能を満たすことがより重要視されてきています。
当社グループは、有機化学・アルミニウム・無機化学といった幅広い素材を持つことを強みとし、「作る」化学を得意としていますが、これからは「作る」だけでなく「混ぜる」も取り入れて両方にバランスよく取り組むよう進化する必要があります。

我々はこのような状況に対応すべく、当社より川下に寄った事業を展開し、「混ぜる」化学を得意とする日立化成(株)(以下、日立化成)の統合を決断し、株式公開買付により2020年4月末に同社を連結子会社化しました。(日立化成は2020年10月より「昭和電工マテリアルズ(株)」と商号を変更予定)
両社が一緒になるということは、「作る」化学、「混ぜる」化学どちらか一つではなし得ない、“混ぜるべきものを作って混ぜて、世の中に喜ばれる機能やソリューションを提供すること”が可能となります。

日立化成との統合で見える将来の企業像
「世界トップクラスの機能性化学メーカー」

当社のミッションである「すべてのステークホルダーを満足させる」ために、何を目指すかというビジョンが「個性派企業」です。「個性派企業」とは、収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業*1の連合体だと定義しています。

  • *1個性派事業:営業利益率10%以上、営業利益額数十億円以上、環境変化による収益変動が少ないという3つの条件を満たした事業。
日立化成と統合し、さらに高い山へ

この「個性派企業」というビジョンを実現するために、各事業それぞれがどうすれば個性派事業となることができるかを考えて実行しています。今後はさらに日立化成との統合により、個性派事業をベースとして事業のスケールを拡大し、「世界トップクラスの機能性化学メーカーになる」という次に目指すべき企業像が明確になりました。

当社が日立化成との統合の決断に至った理由は以下の2つです。
一つはグローバル素材メーカーの再編・統合等の競争環境の激化です。 欧米や中東・中国で巨大な規模の化学メーカーが台頭し、世界市場での存在感を増す中、比較的規模の小さい日本企業はその中で埋没してしまうおそれがあります。
当社は日立化成との統合により、売上高1兆円を超える企業として、環境の変化にも強く立ち向かうことができると考えています。
もう一つは産業構造の変化です。従来、自動車や電気機器市場のサプライチェーンでは、最終的にメーカーが市場に製品を提供していました。しかし現在はXaaS*2といわれるようにインターネットを通じたサービスという形で市場に提供されるようになりました。GAFA *3 をはじめとする巨大テクノロジー企業は自動車やスマートフォンなどのハードも販売していますが、その本質はサービスの提供です。それらのサービスの質を上げるには高性能の半導体が必要だと考えています。私は、半導体業界はこれからも大きな変化、進捗があると思っています。テクノロジー企業にとっては、半導体も材料でなく手段です。手段を講じるには便利な方が良いに違いありません。

昭和電工と日立化成が融合すれば、半導体に関する幅広い製品技術を一貫して持つことができ、例えばGAFAのようなテクノロジー企業に対しても、多様な組み合わせによる高い機能性を持った製品、ソリューションを一つの会社で提供することが可能となります。これは半導体に限らず、他の市場に対しても同様のシナジーが発揮できます。

統合にあたり最も重要なのは両社が同じ方向を向いていることです。昭和電工と日立化成は半導体やモビリティ、エネルギーなどターゲットとしている市場が非常に近く、それでいて製品が重複していません。だからこそ免疫力が高まり、素材から機能性の製品までサプライチェーンも長くなり、面積も体積も大きくなるチャンスと捉えています。
両社の融合により素材から設計・評価まで、トータルソリューション提案能力を磨き、“ワンストップ型先端材料パートナー”へと進化できると考えています。

  • *2XaaS:X as a Serviceの略。インターネットを通じてあらゆる資源を提供するサービス。
  • *3 GAFA:IT業界を席巻した米国の大手企業を表す略語。Google(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)の4社の頭文字から構成されている。

持続可能な社会に貢献

当社グループは、“事業を通じたSDGs(持続可能な開発目標)への貢献”をCSR方針としており、「The TOP 2021」ではSDGsへの貢献を企業責任として活動の基本と位置づけました。自然界にないものを作り出している化学企業として、製造時、作った製品、製品の使用後のそれぞれのフェーズで安全と環境に対する責任を持ちます。
ESG(環境、社会、ガバナンス)を理念の中心においた経営を推進し、そして当社グループの強みを活かし、例えばプラスチックケミカルリサイクルや鉄のリサイクルに使用する黒鉛電極といった持続可能な社会に貢献する製品・技術・サービスの提供を行います。

変化を恐れずに進む

森川宏平
2020年8月
森川宏平
私は当社グループをサステナブル(持続可能)な会社にしていきたいと強く思っています。人々が社会生活を営む上で、化学は必要不可欠な存在です。そういった持続可能な存在だからこそ、市場の変化に合わせて自由に変化していくことができます。
我々は個性派企業へ、そして日立化成と共に「世界トップクラスの機能性化学メーカー」を目指します。その道筋の中で自らを変え、必要な存在になり続けることができるのが“一流”です。時代によって市場は変わっていく、お客様も変わっていきます。我々はその変化に常に対応していきます。

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