食品ロスの解決とプラスチック削減に貢献するアルミ/樹脂複合容器

対象業種食品メーカー

用途想定食品容器

日本における食品関連事業者および一般家庭から発生する食品ロス量は、年間523万トン1)におよび、食品関連業界では賞味期限の延長に対する様々な取り組みが進められています。加えて、高齢化社会の進展や嗜好の多様化により、食品容器には開封のしやすさや安全性といったバリアフリー性やデザイン性も求められています。
容器の易開封性やデザイン性を満たす食品容器として、従来からプラスチック容器が使われてきました。しかしプラスチックは製造や廃棄での環境負荷が高いことから、昨今は脱プラスチックの機運が高まっており、実際日本政府は2030年までにプラごみの排出量を25%削減するという目標を掲げています2)。またプラスチック容器はリサイクルコストが高く、容器リサイクル法による再商品化委託料も無視できなくなっています。食品容器の分野でもプラスチック削減と、リサイクルに配慮した容器が求められるようになってきました。
当社は「アルミック缶」を提案します。「アルミック缶」はアルミニウム箔と樹脂シートを貼り合わせた食品容器で、食品の長期保存性、易開封性、及びプラスチック削減を並立しました。食の課題解決とプラスチック削減に貢献する、人にも環境にも優しい食品容器です。

課題解決

含有率50%超のアルミニウムと樹脂の複合で、長期保存性・易開封性・プラスチック削減を並立

これまで食品容器としてさまざまな材料が使われてきましたが、紙の容器は食品を長期保存できない、缶容器は開封が簡単ではない、プラスチック容器は環境負荷が高い、ガラス容器は破損しやすいといったデメリットがありました。

当社が提案する「アルミック缶」はアルミニウム箔と樹脂シートを貼り合わせ、プレス成型した食品容器です。アルミニウムとプラスチックの双方の長所を併せ持っています。

「アルミック缶」では、蓋においても容器においてもアルミ箔層が酸素・水分・光を遮断し、食品の長期保存を可能にします。樹脂シート部分にシール層と剥離層のダブル構造を持たせており、お子様でもお年寄りでも容易に開封できます。またプラスチチック容器と同様のデザイン性も併せ持っています。さらに「アルミック缶」はアルミの含有率が50%超のため、プラスチック削減に貢献するとともに、資源有効利用促進法において「アルミニウム製の缶」に分類することができます。またアルミとしてリサイクル可能であることも実証されました。

容器発売から30年以上、多彩なジャンルで採用実績があります。

 

アルミック缶とは?

アルミック缶とは

 

 

特長

長期保存性

蓋、容器どちらにもアルミ箔を使用することで、外部からの酸素・水分・光を遮断し、食品の酸化、乾燥、変色などを防ぎます。食品を充填した後で、加熱加圧殺菌処理を施すことができます。レトルト食品を密封した状態で加熱殺菌できるため、水に溶けやすく酸化しやすい栄養素の低減を抑えます。また、常温流通が可能です。

当社データによれば、「アルミック缶」を用いたL-アスコルビン酸保管テストの結果、他社包材と比べて「アルミック缶」ではL-アスコルビン酸量の減少が緩やかで残存量が多く、経時による酸化劣化が起きにくいことがわかりました。

アルミック缶の層構造と長期保存性

アルミック缶の層構成と長期保存性
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

易開封性・デザイン性

樹脂シート部分に剥離層・シール層の構造を持たせています。剥離層は基材層から容易に剥がせ、シール層は完全溶着しているため内圧に強く、開けやすく漏れにくい容器を実現しました。人が開けやすいと感じることのできる目安の開封強度「15N」と、高い封緘強度「50kPa以上」を両立しました。力の弱いお子様やお年寄りでも、簡単に開封できます。

また最外層にCPPを用いているため、アルミ層の金属光沢を活かした高級感のある容器印刷が可能です。アイデア次第で、視認性やデザイン性の高い容器の製作が可能です。

アルミック缶の易開封性

容器種類 開封強度 封緘強度
アルミック缶 約15N 50kPa以上
アルミパック 約20N 40kPa以上
缶詰(ブリキ)イージーオープン缶 約50N 70kPa以上
缶詰(アルミ)イージーオープン缶 約35N 70kPa以上
樹脂容器 約20N 40kPa以上
  • JIS Z 0238ヒートシール軟包材袋及び半剛性容器の試験方法、規格値:20kPa以上
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

 

アルミック缶の易開封性-2

 

 

プラスチック削減・リサイクル性

容器の設計によって異なりますが、プラスチック容器を「アルミック缶」に変更すると、例えば下図のように60%以上のプラスチック削減効果が期待できると試算されました。

また「アルミック缶」はアルミの含有率が50%超のため、資源有効利用促進法において「アルミニウム製の缶」に分類されます。容器表示が「プラ・マーク」3)から「アルミ・マーク」4)に変更されると、お客様の再商品化委託料負担が軽減されます。プラスチック容器1個5gと想定すると¥0.31/個の負担軽減効果5)となります。

さらに「アルミック缶」はアルミとしてリサイクル可能であることも実証されました。

プラマーク アルミマーク

プラスチック使用量比較

プラスチック使用量比較

構成部材とその含有率(計算値)

構成部材 厚み(μm) 重量(g) 含有率(%)
樹脂シート(接着剤含む) 約300 2.94 41
アルミ箔 140 3.87 54
CPPフィルム(接着剤含む) 約30 0.36 5
  • 「アルミック缶」は、日本・中国における、株式会社レゾナック・パッケージングの登録商標です。
  • 更新日:2024年3月22日

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資料では、長期保存性、易開封性やリサイクル性の詳細データがご覧になれます。

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