新技術のポイントアルミ/樹脂直接接合

近年、材料開発の分野では、樹脂や金属など特性の異なる材料を併用して軽量化や高強度化を実現する“マルチマテリアル化”がキーワードになっています。なかでも異種材料同士を直接接合する技術は、製造工程の短縮や製品の小型化を実現する技術として注目されています。
当社はアルミニウムおよび樹脂の材料設計のノウハウを生かし、従来金属との接合で高い強度を得られなかったポリカーボネート(PC)をはじめ、幅広い種類の樹脂とアルミニウムの直接接合技術を開発しました。

アルミ/樹脂直接接合技術とは

アルミ部品に弊社が開発した特殊表面処理を施し、インサート成形することによりアルミと樹脂を直接接合します。

アルミ表面処理 金型にインサート 射出成形 アルミ・樹脂一体成形品 アルミ表面処理 金型にインサート 射出成形 アルミ・樹脂一体成形品

基本特性

SDK接合法の特徴

「機械的結合力」+「分子間力」+「化学結合力」3つの結合力を統合させた接合技術 分子間力 ファンデルワールス力・水素結合 採用例)従来型接着剤接着技術 ファンデルワールス力 水素結合 機械的結合力 アンカー効果 採用例)従来型樹脂金属直接接合技術 樹脂 金属 化学結合力 化学結合力 SDK接合法 化学結合力 樹脂 プライマー 金属 機械的結合力+分子間力+化学結合力 化学結合力 「機械的結合力」+「分子間力」+「化学結合力」3つの結合力を統合させた接合技術 分子間力 ファンデルワールス力・水素結合 採用例)従来型接着剤接着技術 ファンデルワールス力 水素結合 機械的結合力 アンカー効果* 採用例)従来型樹脂金属直接接合技術 樹脂 金属 化学結合力 化学結合力 SDK接合法 化学結合力 樹脂 プライマー 金属 機械的結合力+分子間力+化学結合力 化学結合力

※SDK接合法にはアンカー接合を用いない方法もあります。

表面処理の概要

  1. エッチング処理

    • 自然酸化皮膜除去
    • ディンプル状の凹凸表面
      (アンカー効果)
    アルミ
  2. 酸化処理

    • 水酸基の生成(官能基付与の起点)
    • ひげ状の形状(アンカー効果)
    アルミ 酸化被膜
  3. 官能基付与

    • 樹脂との化学結合が可能
      (共有結合)
    官能基層 酸化被膜
  4. 被接合樹脂に合わせたプライマー塗工

    • リニア分子鎖 または 架橋構造
    • 共有結合が出来ない熱可塑性樹脂とも強固に接着が可能
      (分子拡散接合)
    • アルミ表面の保護
    プライマー層 官能基層 酸化被膜
  5. 樹脂成形

    インサート成形

接合強度①- アルミ・熱可塑性樹脂接合

引張せん断試験

試験方法 ISO19095
試験片

ラップジョイント

試験片詳細

アルミ部
18x45x1.5mmT

樹脂成形部
10x45x3mmT

接合部面積
5 x10mm(0.5cm2

試験条件

ロードセル荷重 10kN

引張速度 10mm/min

試験温度 23℃, 50%RH

ラップジョイント
アルミ/ポリカーボネート樹脂接合体
表1 アルミニウム(A6061合金)と熱可塑性樹脂の接合強度
樹脂非晶性エンプラ非晶性
スーパーエンプラ
結晶性エンプラ結晶性汎用樹脂
PC(非強化)※ mPPE(非強化) PEI(非強化) PBT(GF30%) PP(GF40%) PP(CF40%)
せん断引張強度 25MPa 20MPa 25MPa 28MPa 13MPa 18MPa
成形方法 インサート成形

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

 

※引張せん断試験(各種ポリカーボネートとアルミニウム合金の直接接合)

PC変性コポリマー樹脂(耐衝撃性、耐候性向上グレード)、ガラス繊維強化グレードなど、様々な機能性PCに接合可能です。

スマートフォン、自動車内外装、電子機器、照明などの用途を想定しています。

樹脂各種ポリカーボネート/アルミニウム合金(A6063)の直接接合
PC(非強化) LEXANTMEXL1414樹脂 LEXANTMSLX2271T樹脂

ThermocompTM

DX10313樹脂

せん断引張強度 25MPa 23MPa 26MPa 22MPa
成形方法 インサート成形

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

射出成形条件
試験方法 ISO19095
樹脂温度 285 ℃
金型温度 90 ℃
射出速度 50 mm/sec

SDK接合法では非アンカー接合効果により、一般的なPCの成形/金型温度での接合が可能です。
(アンカー効果接合では、より高い成形/金型温度が必要)

接合強度②- アルミ・熱硬化性樹脂接合

引張せん断試験

試験方法 ISO19095
試験片

ラップジョイント

試験片詳細

アルミ部
18x45x1.5mmT

樹脂成形部
10x45x3mmT

接合部面積
5 x10mm(0.5cm2

試験条件

ロードセル荷重 10kN

引張速度 10mm/min

試験温度 23℃, 50%RH

表2 アルミニウム(A6061合金)と熱硬化性樹脂の接合強度
樹脂CF強化SMC樹脂
(CF 50wt%)
BMC
せん断引張強度 23MPa 15MPa
成形方法 プレス成形
ゲージ圧 5MPa
トランスファ-成形
30MPa

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

接合強度耐久性(アルミ/PC樹脂接合)

高温老化試験

試験方法 ISO19095
試験片

ラップジョイント

老化条件

80℃ ~500hrs

試験条件

ロードセル荷重 10kN

引張速度 10mm/min

試験温度 23℃, 50%RH

総合強度低下率(80℃)
上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

接合強度と充填圧力との関係

充填圧力に依存せずに接合強度の確保を実現しました。

変更した樹脂注入位置 従来の樹脂注入位置
断面図 通常ゲート位置 接合面への圧力伝達大 変更ゲート位置 接合面への圧力伝達小 接合面 アルミ

樹脂注入位置による接合強度の変化

樹脂注入ゲート位置に依存せず安定した接合強度を保持します。

接合強度 通常ゲート位置 接合強度100% 変更ゲート位置 接合強度100%
上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

プライマーの密着耐久性

碁盤目試験

試験方法 JIS K 5600
判定基準
  1. 0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない
  2. 1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ
  3. 2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている
アルミ試験片 プライマー塗布部
温水浸漬時間
(60℃温水)
碁盤目試験結果(評点)
初期 0(剥離なし)
24hrs浸漬後 0(剥離なし)
84日間浸漬後 0(剥離なし)

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

湿熱老化試験
(85℃, 85%RH)
碁盤目試験結果(評点)
初期 0(剥離なし)
5日間浸漬後 0(剥離なし)
30日間浸漬後 0(剥離なし)
50日間浸漬後 0(剥離なし)

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。