新技術のポイントアルミラミネートフィルム型冷却器
電気自動車においてバッテリーに用いられるリチウムイオン電池は、走行距離を伸長するため高密度で設置され、同時に、寿命や出力を保証するため低温度での管理が求められています。
当社は車載電池の包材として実績のあるアルミラミネートフィルム「SPALF®」と熱交換器の技術を応用し、車載用電池冷却システムに求められる効率性と安全性を確保しながら、軽量かつコンパクトな電池冷却器を開発しています。
アルミラミネートフィルム型冷却器とは
アルミ箔と樹脂フィルムの複合材であるアルミラミネートフィルム「SPALF®」を構成材料に利用した冷却器です。絶縁性や耐食性などの樹脂の特長を生かし、軽量かつコンパクトな設計が可能です。

車載電池用包材として3年以上の市場実績あり民生機器用電池包材としては20年以上の実績

アルミ製の高性能熱交換器で蓄積した熱設計技術で細密かつ薄型の信頼性の高い冷却器を実現
基本特性
- 材料の薄肉化により、圧倒的に軽量かつ薄型の冷却器が製造可能です
- 従来の溶接・ろう付けに対してより低温の樹脂溶着接合で、製造コストを抑えながら強固な接合を実現します
- 製品自体に絶縁性が付与されるため、電池用部品としてより好適です
従来冷却器との比較例
製品名 | 押出冷却器 | ろう付け冷却器 | アルミラミネートフィルム型 冷却器 |
---|---|---|---|
代表的形状 | ![]() |
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構成素材 | アルミ押出形材 | アルミ板材 | ラミネートフィルム SPALF® |
接合方法 | 溶接 | ろう付け | 樹脂熱溶着 |
接合温度 | 650℃以上 | 600℃ | 200℃以下 |
必要肉厚 | 1.5mm | 0.8mm | 0.13mm |
W60mm×T4mm ×L1m品の重量 |
0.7kg | 0.5kg | 0.1kg |
コストイメージ 加工費 材料費 |
220 100 |
220 95 |
140 95 |
上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。
アルミラミネートフィルム型冷却器の仕組み
プレートとフィンを熱溶着で接合し、冷却水経路を形成します。

アルミラミネートフィルム型冷却器の構成材料
代表的なラミネートフィルム(SPALF®)の構成・特性
総厚さ | 密度 | 構成 | 厚み | 素材名 | |
---|---|---|---|---|---|
プレート | 180μm | 2.1g/cm3 | PET | 12μm | ポリエチレンテレフタレート |
AL | 120μm | アルミニウム合金箔 | |||
CPP | 40μm | ポリプロピレン | |||
フィン | 208μm | 1.9g/cm3 | CPP | 40μm | ポリプロピレン |
AL | 120μm | アルミニウム合金箔 | |||
CPP | 40μm | ポリプロピレン |


特性 | 特性値 | 備考 |
---|---|---|
シール強度 | 40N/15㎜以上 | SPALF®/SPALF®間の引き剥がし強度を測定 |
耐電圧 | 6kV以上 | 電池包材として十分な耐電圧 |
熱伝導性(面方向) | 150W/m・K | |
熱伝導性(厚さ方向) | 2.5W/m・K | |
引張強度 | 68~87MPa | 試験方法:ISO527-31995 |
引張伸度 | 26~38% | 試験方法:ISO527-31995 |
冷媒耐久性 | 50℃×1300h以上 | 水系クーラントでの試験結果 |
線膨張率 | ≒23ppm/K | アルミニウムと同等 |
冷却システムへの展開例

