新技術のポイントリチウムイオン電池正負極材用導電助剤 VGCF®-H

電気自動車(EV)や蓄電システム(ESS)の普及により今後市場拡大が見込まれる大型リチウムイオン電池(LIB)市場。大型LIBには温度や抵抗、寿命に関して様々な特性が求められ、材料も日々進化しています。当社の正負極材導電助剤「VGCF®-H」は、最新の材料環境においても少量の添加でLIBの高温時の耐久性、低温時の充放電性能、長期使用時の抵抗上昇抑制等の複数の性能を向上させることが出来ます。

VGCF®-Hとは

VGCF®-H粉体
平均繊維径 150nm
平均繊維長 6μm
比表面積 13m2/g
圧密比抵抗 0.015Ω・cm
炭素含有率 99.99wt%
平均繊維径 150nm 平均繊維長 6μm
比表面積 13m2/g 圧密比抵抗 0.015Ω・cm
炭素含有率 99.99wt%

気相法で合成された繊維状黒鉛です。太くて剛直な繊維が活物質間の導電パスを形成し、電極中の電解液の浸透を補助する細孔を形成し、LIBの入出力特性や低温特性を改善します。また熱処理により比表面積を抑えたことで、高温環境での劣化抑制および安全性を向上させます。発売から15年以上経過した今でもVGCF®-Hは通常トレードオフになりがちなLIBの特性を両立できるオンリーワンの材料になっています。

LIBの用途の拡大に伴い、LIBに求められる特性も多様化、複雑化しており、材料も日々進化していますが、VGCF®-Hは現在のトレンドに即した材料構成においてその特長を一層発揮できることが確認できました。

基本特性

イオンの拡散経路を形成し、レート特性、低温特性を改善

LIBはリチウムイオンが活物質間を行き来することで充放電が行われますが、近年電池の高容量化ニーズに伴い、活物質の密度が上がっています。その弊害として、電極のプレス時に電解液のしみこむ隙間が小さくなり、効率的なイオンの電動が出来なくなります。VGCF®-Hが活物質間の隙間に入り込むと、電極のプレスにおいて電極層の空隙を完全につぶしてしまうことなく、リチウムイオンの移動がスムーズになります。この結果、常温時のレート特性を向上し、急速充電を可能にします。さらには、電解液の粘度が上がりイオンの移動がしにくくなる低温時の性能低下の抑制や、負極での使用時にはリチウムの析出を抑えて短絡を防止することで、電池の安全性向上に寄与します。(詳細は技術資料をご覧ください)

電解液との副反応を抑え、電池の高温耐性を維持し、電池の膨れを抑制

電気自動車の過酷な走行環境への性能要求から、LIBに対しても高温時の保存特性や電池の劣化への耐性が求められています。電極材料の表面積が大きい場合、電解液と反応して電池性能に悪影響を及ぼすことから、特に添加剤である導電助剤には表面積を低く抑えることが重要です。
VGCF®-Hは、当社の独自技術によって表面積を小さく抑えており、電池の高温時の保存特性や電池劣化の耐性維持に寄与します。また、負極での使用時には還元成分由来のガス発生を抑制し、電池の膨れを抑えることが出来ます。(詳細は技術資料をご覧ください)

活物質間の導電パスが電池寿命の延長に寄与

LIBの電極においては、活物質中で発生した電気を効率よく伝える為、活物質と活物質の間を繋ぎ、電気を伝える材料が必要です。しかし充放電を繰り返すと活物質の膨張収縮によって活物質の距離が離れてしまい、電気が通りにくく抵抗が上がってしまいます。
VGCF®-Hは、直線的で長い繊維形状が活物質間に導電パスを形成します。膨張収縮を繰り返しても抵抗が上がることがなく、電池の寿命を延長します。(詳細は技術資料をご覧ください)

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