決算概要
2020年 決算概要
経営成績
売上高 | 1,717 前年同期比 △ 630 |
---|---|
営業利益 | 25 前年同期比 △ 429 |
経常利益 | 32 前年同期比 △ 410 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 27 前年同期比 △ 304 |
1株当たり四半期純利益 | 18円50銭 前年同期比 △ 208円23銭 |
当第1四半期(2020年1月~3月)のわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響拡大により、個人消費は2月以降急速に悪化しました。企業収益は、感染症拡大による世界的な経済活動抑制の影響を強く受け、国内消費の急減速、輸出の大幅な減少と海外生産の急速な低下、さらには原油価格急落の影響も厳しく、多くの企業において業況判断を大きく引き下げる動きが出ております。これに対して日本、米国、EU等主要国で思い切った金融・財政政策が実施されつつありますが、当社を巡る経営環境は第2四半期以降さらなる悪化が想定されます。
当社グループは、現下の状況に鑑み、すべてのステークホルダーの皆さまの安全・健康を第一に考え、感染症の拡大防止に向け多くの施策を実行しています。具体的には、主要な事業所、部署におけるテレワークによる在宅勤務の実施、特別休暇の付与など従業員の安全確保と感染拡大防止を最優先にした施策を行っています。同時に、生産拠点では、感染防止策を徹底した上での生産活動の維持に努め、お客様に対する製品供給の継続など社会インフラ機能の維持に注力しております。
中期経営計画「The TOP 2021」
当社グループは長期的に目指す姿を設定し、2019年より中期経営計画「The TOP 2021」を推進しております。当社グループが持続的に発展し、社会から信頼・評価されるためには、株主様をはじめ、お客様、お取引先、地域関係者、社員など、全てのステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう、企業価値の向上を図ることが重要です。当社はこれをグループ経営理念として明確にし、株主価値・顧客価値・社会価値の最大化に向けた経営を推進いたします。
また、日立化成株式会社株式に対する公開買付けにより、同社を2020年4月、連結子会社としました。産業構造や競争環境は大きく変化しておりますが、今般の新型コロナウィルスの世界規模での感染拡大によって、この流れが加速すると予想されます。特に、テレワーク、オンラインビジネスの拡大、生産現場のFA化加速、サイバーセキュリティ強化等、デジタル化が急速に進展することが想定されます。このような環境変化に対応しつつ、グローバルトップクラスの機能性化学メーカーとして勝ち残るためには、素材、部材を超えたソリューションを提供していく、顧客にとっての「ワンストップ型先端材料パートナー」に進化することが不可欠と考えます。
当社グループは、「The TOP 2021」の着実な実行により収益力基盤の強靭化と収益変動幅の抑制を図り、企業価値を向上させるとともに、日立化成株式会社との早期の実質的な統合を図り、将来に向けた成長の基盤を確立いたします。
当第1四半期の連結営業成績につきましては、売上高は、エレクトロニクスセグメントはハードディスクの数量増により増収となり化学品セグメントも増収となりました。一方、無機セグメントは黒鉛電極事業の数量減で大幅な減収となり、石油化学、アルミニウム、その他、の3セグメントも製品市況の低下で減収となり、総じて減収となる1,717億34百万円(前年同期比26.8%減)となりました。
営業利益は、エレクトロニクスセグメントは数量増により増益となりましたが、無機セグメントは黒鉛電極事業の数量減により大幅な減益となり、石油化学、化学品、アルミニウム、その他、の4セグメントも製品市況の低下を受け減益となり、総じて大幅な減益となる24億69百万円(同94.6%減)となりました。これを受け、経常利益は32億21百万円(同92.7%減)となりました。
これにより親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期と比べ大幅な減益となる26億99百万円(同91.8%減)となりました。
セグメント別状況
セグメント別売上高
石油化学 | 550 前年同期比 △ 77 |
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化学品 | 363 前年同期比 + 3 |
エレクトロニクス | 236 前年同期比 + 30 |
無機 | 214 前年同期比 △ 510 |
アルミニウム | 192 前年同期比 △ 46 |
その他 | 286 前年同期比 △ 38 |
セグメント別営業利益
石油化学 | △ 2 前年同期比 △ 41 |
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化学品 | 23 前年同期比 △ 1 |
エレクトロニクス | 10 前年同期比 + 13 |
無機 | 8 前年同期比 △ 387 |
アルミニウム | 0 前年同期比 △ 2 |
その他 | 2 前年同期比 △ 1 |
【石油化学セグメント】
当セグメントでは、オレフィン事業は、中国需要の減速による東アジアの需給バランスの軟化、原料価格の低下に伴いエチレン・プロピレン等の製品市況が低下するとともに、当期は誘導品の定修による販売数量減もあり減収となりました。有機化学品事業は、酢酸エチル・酢酸ビニルの定修による数量減に加え市況が低下し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は550 億25 百万円(前年同期比12.3%減)となり、営業損益は1億56 百万円(同41 億49 百万円減益)の損失となりました。
【化学品セグメント】
当セグメントでは、基礎化学品事業は、液体アンモニア、アクリロニトリルは前年同期並みとなりましたが、クロロプレンゴムは輸出数量が減少し減収となったため、総じて減収となりました。機能性化学品事業は、中国向け販売数量が減少し減収となりました。産業ガス事業は前年同期並みとなりました。情報電子化学品事業は、半導体業界向け数量増により増収となりました。前年下期にコーティング材料事業を新規連結したこともあり、総じて増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は363 億15 百万円(前年同期比0.8%増)となりましたが、営業利益は減益の22 億86 百万円(同5.2%減)となりました。
【エレクトロニクスセグメント】
当セグメントでは、ハードディスク事業はPC 向け出荷が低調な水準ながら堅調に推移しデータセンター向けも出荷が増加したため増収となりました。化合物半導体は輸出数量が増加し増収となりました。リチウムイオン電池材料事業は車載向けは出荷が減少しましたが、タブレット・スマートフォン向けアルミラミネート包材SPALF®の販売量が増加し前年同期並みとなりました。SiC エピタキシャルウェハー事業は、輸出数量が減少し小幅の減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は235 億53 百万円(前年同期比14.6%増)となり、営業利益は9億87 百万円(同12 億59 百万円増益)となりました。
【無機セグメント】
当セグメントでは、黒鉛電極事業は、世界的な鉄鋼生産の鈍化と顧客在庫の取り崩しによる需給軟化を受けて減産を一段と強化したため販売数量が減少し、大幅な減収となりました。セラミックス事業は研削材、電子材料用ファインセラミックスの販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は213 億85 百万円(前年同期比70.5%減)となり、営業利益は8億48 百万円(同97.9%減)となりました。
【アルミニウムセグメント】
当セグメントでは、アルミ圧延品事業のアルミ電解コンデンサー用高純度箔は、産業機器・車載向け等需要業界の生産調整を受け出荷が減少し減収となりました。アルミ機能部材事業は、主に中国、欧州、ASEANの自動車生産の減少を受け自動車向け部材の出荷が減少し減収となりました。アルミ缶事業は、国内生産能力の削減に伴い、またベトナム市場は外出規制に伴うビール生産の大幅減により、それぞれ販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は191 億77 百万円(前年同期比19.3%減)となり、営業利益は48 百万円(同81.0%減)となりました。
【その他セグメント】
当セグメントでは、昭光通商株式会社は製品市況の下落や需要低迷の影響等により減収となり、総じて売上高は286 億6百万円(前年同期比11.8%減)となり、営業利益は1億92百万円(同36.7%減)となりました。
財務状況
総資産 | 10,516 前年期末比 △ 248 |
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純資産 | 4,936 前年期末比 △ 258 |
自己資本比率 | 45.1% 前年期末比 △ 1.3p |
当第1四半期末の総資産は、棚卸資産は増加したものの、現金及び預金、営業債権は減少し、前期末比248億1百万円減少の1兆515億80百万円となりました。負債合計は、営業債務は減少しましたが、有利子負債が増加し、前期末比9億84百万円増加の5,579億33百万円となりました。当第1四半期末の純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上はあったものの前期配当金の支払いにより利益剰余金は減少し、評価・換算差額等も減少したため、前期末比257億86百万円減少の4,936億47百万円となりました。
経営成績
売上高 | 3,266 前年同期比 △ 1,489 |
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営業利益 | △258 前年同期比 △ 1,113 |
経常利益 | △432 前年同期比 △ 1,281 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | △546 前年同期比 △ 1,204 |
一株当たり四半期純利益 | △374円11銭 前年同期比 △ 825円27銭 |
当第2四半期(2020年1月~6月)のわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響拡大により、個人消費は2月以降急速に悪化しました。企業収益は、感染症拡大による世界的な経済活動抑制の影響を強く受け、国内消費の急減速、輸出の大幅な減少と海外生産の急速な低下、さらには原油価格急落の影響も受け、多くの企業において業況判断を大きく引き下げました。これに対して日本、米国、EU等主要国で思い切った金融・財政政策が実施されつつありますが、当社を巡る経営環境は第2四半期に底打ちはしたものの、米中貿易摩擦など不透明な要因も多く、回復のテンポは鈍く厳しい状況が続く見込みです。
当社グループは、現下の状況に鑑み、お客様、お取引先、従業員など関係する皆様の安全・健康を第一に考え、感染症の拡大防止に向け多くの施策を実行しています。具体的には、主要な事業所、部署におけるテレワークによる在宅勤務の実施、特別休暇の付与など従業員の安全確保と感染拡大防止を最優先にした施策を行っています。同時に、生産拠点では、感染防止策を徹底した上での生産活動の維持に努め、お客様に対する製品供給の継続など社会インフラ機能の維持に注力しております。
中期経営計画「The TOP 2021」
当社グループは長期的に目指す姿を設定し、2019年より中期経営計画「The TOP 2021」を推進しております。当社グループが持続的に発展し、社会から信頼・評価されるためには、株主様をはじめ、お客様、お取引先、地域関係者、従業員など、全てのステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう、企業価値の向上を図ることが重要です。当社はこれをグループ経営理念として明確にし、株主価値・顧客価値・社会価値の最大化に向けた経営を推進いたします。
また、日立化成株式会社株式に対する公開買付けにより、同社を2020年4月、連結子会社としました。産業構造や競争環境は大きく変化しておりますが、今般の新型コロナウィルスの世界規模での感染拡大によって、この流れが加速すると予想されます。特に、テレワーク、オンラインビジネスの拡大、生産現場のFA化加速、サイバーセキュリティ強化等、デジタル化が急速に進展することが想定されます。このような環境変化に対応しつつ、グローバルトップクラスの機能性化学メーカーとして勝ち残るためには、素材、部材を超えたソリューションを提供していく、顧客にとっての「ワンストップ型先端材料パートナー」に進化することが不可欠と考えます。
当社グループは、「The TOP 2021」の着実な実行により収益力基盤の強靭化と収益変動幅の抑制を図り、企業価値を向上させるとともに、日立化成株式会社との早期の実質的な統合を図り、将来に向けた成長の基盤を確立いたします。
当第2四半期の連結営業成績につきましては、売上高は、エレクトロニクスセグメントは前年同期並みとなりましたが、石油化学セグメントは原油価格急落による製品市況の低下、無機セグメントは鉄鋼業界の世界的な減産を受けた黒鉛電極事業の数量減と市況低下、化学品、アルミニウム、その他、の3セグメントもCOVID-19の影響を受け大きく出荷が減少し、総じて減収となる3,266億21百万円(前年同期比31.3%減)となりました。
営業損益は、エレクトロニクスセグメントはハードディスクの数量増により増益となりましたが、無機セグメントは黒鉛電極事業の数量減に加え、市況低下に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げの影響216億83百万円により大幅な減益となり、石油化学セグメントも原料ナフサの受払差が悪化したため減益となりました。化学品、アルミニウム、その他、の3セグメントもCOVID-19の影響を受け出荷量が減少し減益となり、総じて営業損益は大幅な悪化となる257億95百万円(同1,112億66百万円減)の損失となりました。また、経常損益は日立化成株式会社の株式取得に関する資金調達関連等の一時費用約161億円が加わり432億25百万円(同1,280億55百万円減)の損失となりました。
親会社株主に帰属する四半期純損益は、黒鉛電極事業におけるドイツ製造拠点の閉鎖関連費用47億41百万円を特別損失として計上したこともあり、前年同期と比べ大幅な悪化となる545億75百万円(同1,203億88百万円減)の損失となりました。
セグメント別状況
セグメント別売上高
石油化学 | 957 前年同期比 △ 317 |
---|---|
化学品 | 720 前年同期比 △ 15 |
エレクトロニクス | 446 前年同期比 △ 0 |
無機 | 430 前年同期比 △ 997 |
アルミニウム | 388 前年同期比 △ 102 |
その他 | 556 前年同期比 △ 87 |
セグメント別営業利益
石油化学 | △37 前年同期比 △ 121 |
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化学品 | 50 前年同期比 △ 5 |
エレクトロニクス | 18 前年同期比 + 8 |
無機 | △229 前年同期比 △ 947 |
アルミニウム | △2 前年同期比 △ 7 |
その他 | 5 前年同期比 △ 1 |
【石油化学セグメント】
当セグメントでは、オレフィン事業は、中国需要の減速による東アジアの需給バランスの軟化、原油価格低下による原料ナフサ価格の低下に伴いエチレン・プロピレン等の製品市況が低下するとともに、当期は誘導品の定修による販売数量減もあり減収となりました。有機化学品事業は、酢酸エチル・酢酸ビニルの定修による数量減に加え市況が低下し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は957億43百万円(前年同期比24.9%減)となり、営業損益は原料ナフサ価格の低下に伴う受払差の悪化があり36億67百万円(同121億31百万円減)の損失となりました。
【化学品セグメント】
当セグメントでは、情報電子化学品事業は、半導体業界の生産回復を受けた数量増により増収となりましたが、基礎化学品事業は、COVID-19 の影響を受けた国内需要の軟化により液化アンモニアは数量減、アクリロニトリルは市況低下により減収となり、クロロプレンゴムは輸出数量が減少し、総じて減収となりました。機能性化学品事業は国内向け・中国向けともに数量減により減収となりました。産業ガス事業は飲料向け等の数量減により減収となり、総じて減収となりました。なお、前年下期にコーティング材料事業を新規連結しております。
この結果、当セグメントの売上高は720億41百万円(前年同期比2.0%減)となり、営業利益は50億20百万円(同9.1%減)となりました。
【エレクトロニクスセグメント】
当セグメントでは、ハードディスク事業はPC 向け出荷は減少しましたがデータセンター向け出荷が増加したため小幅な増収となりました。化合物半導体事業は輸出数量が増加し増収となりました。リチウムイオン電池材料事業は車載向けは出荷が低迷しましたが、タブレット・スマートフォン向けアルミラミネート包材SPALF®の販売量が増加し増収となりました。SiC エピタキシャルウェハー事業は、国内電鉄向けは堅調に推移したものの輸出向けが減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は445億74百万円(前年同期比0.0%減)となりましたが、営業利益は17億68百万円(同86.6%増)となりました。
【無機セグメント】
当セグメントでは、黒鉛電極事業は、世界的な鉄鋼生産の鈍化と顧客在庫の取り崩しによる需給軟化を受けて減産を一段と強化したため販売数量が減少し、大幅な減収となりました。セラミックス事業は、自動車・鉄鋼業界の減産を受け研削材等の販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は430億4百万円(前年同期比69.9%減)となり、営業損益は黒鉛電極の市況低下に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げの影響216億83百万円もあり229億5百万円(同947億42百万円減)の損失となりました。
【アルミニウムセグメント】
当セグメントでは、アルミ圧延品事業のアルミ電解コンデンサー用高純度箔は、産業機器・車載向け等需要業界の生産調整を受け出荷が減少し減収となりました。アルミ機能部材事業は、世界的な自動車生産の減少を受け自動車向け部材の出荷が減少し減収となりました。アルミ缶事業は、国内生産能力の削減に伴い、またベトナム市場はCOVID-19による外出規制により4~5月のビール生産が大幅に減少し、それぞれ販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は388億48百万円(前年同期比20.7%減)となり、営業損益は2億5百万円(同6億85百万円減)の損失となりました。
【その他セグメント】
当セグメントでは、昭光通商株式会社は製品市況の下落や需要低迷の影響等により減収となり、総じて売上高は555億61百万円(前年同期比13.6%減)となり、営業利益は4億81百万円(同21.4%減)となりました。
財務状況
総資産 | 21,063 前期末比 + 10,299 |
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純資産 | 7,275 前期末比 + 2,081 |
自己資本比率 | 20.0% 前期末比 △ 26.4p |
一株当たり純資産 | 2,890円71銭 前年同期比 △ 475円69銭 |
当社は、日立化成株式会社を株式取得により連結子会社とし、6月末みなし取得で連結財務諸表に取り込んでおります。これにより当第2四半期末において当社連結貸借対照表に下記の影響がありました。
総資産 1兆1,002億49百万円増加
負債 5,382億36百万円増加
非支配株主持分 2,839億69百万円増加
当第2四半期末に新たに日立化成株式会社及びその子会社を連結の範囲に含めたことにより、総資産は、主に現金及び預金、営業債権、棚卸資産、有形固定資産、のれんが増加し、前期末比1兆299億15百万円増加の2兆1,062億97百万円となり、負債合計は、主に営業債務が増加したことに加え、日立化成株式会社の株式取得に伴う有利子負債の増加により、8,218億47百万円増加の1兆3,787億95百万円となりました。なお、有利子負債残高は6,991億14百万円増加の9,976億38百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上、前期配当金の支払いにより利益剰余金は減少したものの、日立化成株式会社の株式取得に伴う非支配株主への優先株式の発行により非支配株主持分が増加し、総じて前期末比2,080億68百万円増加の7,275億1百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況
営業キャッシュ・フロー | 52 前年同期比 △ 353 |
---|---|
投資キャッシュ・フロー | △ 7,926 前年同期比 △ 7,747 |
フリー・キャッシュ・フロー | △7,874 前年同期比 △ 8,100 |
財務キャッシュ・フロー | 8,647 前年同期比 + 8,834 |
その他 | △ 16 前年同期比 + 18 |
現預金増減 | 758 前年同期比 + 752 |
当第2四半期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少等により、前年同期比353億25百万円の収入減少となる51億69百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等により、前年同期比7,747億0百万円の支出増加となる7,925億65百万円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前年同期比8,100億25百万円の収入減少となる7,873億96百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入の増加等により、前年同期比8,834億43百万円の収入となる8,647億40百万円の収入となりました。
この結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響等も含め、前期末比757億67百万円増加となる1,975億1百万円となりました。
経営成績
売上高 | 6,360 前年同期比 △ 596 |
---|---|
営業利益 | △ 154 前年同期比 △ 1,247 |
経常利益 | △ 368 前年同期比 △ 1,444 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | △ 577 前年同期比 △ 1,386 |
1株当たり四半期純利益 | △ 395円22銭 前年同期比 △ 950円23銭 |
当第3四半期(2020年1月~9月)のわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、個人消費は2月以降急速に悪化しました。企業収益は、COVID-19による世界的な経済活動抑制の影響を強く受け、国内消費の急減速、輸出の大幅な減少と海外生産の急速な低下、さらには原油価格急落の影響も受け、多くの企業において業況判断を大きく引き下げました。これに対して日本、米国、EU等主要国での経済状況は金融・財政政策の実施により一部持ち直しの動きも見られ、当社を巡る経営環境は第2四半期に底打ちはしたものの、米中貿易摩擦、欧州・米国等におけるCOVID-19第2波感染再拡大など不透明な要因も多く、回復には厳しい状況が続いています。
当社グループは、現下の状況に鑑み、お客様、お取引先、従業員など関係する皆様の安全・健康を第一に考え、感染症の拡大防止に向け多くの施策を実行しています。具体的には、主要な事業所、部署におけるテレワークによる在宅勤務の実施、特別休暇の付与など従業員の安全確保と感染拡大防止を最優先にした施策を行っています。同時に、生産拠点では、感染防止策を徹底した上での生産活動の維持に努め、お客様に対する製品供給の継続など社会インフラ機能の維持に注力しております。
中期経営計画「The TOP 2021」
当社グループは長期的に目指す姿を設定し、2019年より中期経営計画「The TOP 2021」を推進しております。当社グループが持続的に発展し、社会から信頼・評価されるためには、株主様をはじめ、お客様、お取引先、地域関係者、従業員など、全てのステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう、企業価値の向上を図ることが重要です。当社はこれをグループ経営理念として明確にし、株主価値・顧客価値・社会価値の最大化に向けた経営を推進いたします。
当社グループは、本年4月、日立化成株式会社株式に対する公開買付けにより同社を連結子会社としました。
産業構造や競争環境は大きく変化しておりますが、今般のCOVID-19の世界規模での感染拡大によって、この変化が加速すると予想されます。特に、テレワーク、オンラインビジネスの拡大、生産現場のFA化加速、サイバーセキュリティ強化等、デジタル化が急速に進展することが想定されます。このような環境変化に対応しつつ、グローバルトップクラスの機能性化学メーカーとして勝ち残るためには、素材、部材を超えたソリューションを提供していく、お客様にとっての「ワンストップ型先端材料パートナー」に進化することが不可欠と考えます。
当社グループは、「The TOP 2021」の着実な実行により収益力基盤の強靭化と収益変動幅の抑制を図り、企業価値を向上させるとともに、日立化成株式会社(2020年10月1日より昭和電工マテリアルズ株式会社に社名変更)との早期の実質的な統合を図り、将来に向けた成長の基盤を確立いたします。現在、統合後の将来に向けた長期ビジョンの策定を進めており、本年12月に経営説明会の開催を予定しております。
当第3四半期の連結営業成績につきましては、売上高は、昭和電工マテリアルズセグメントは第3四半期期首からの新規連結により増収となりましたが、無機セグメントは鉄鋼業界の世界的な減産を受けた黒鉛電極事業の数量減と市況低下により大幅に減収となりました。また、石油化学セグメントは原油価格急落による製品市況の低下により減収となり、化学品、エレクトロニクス、アルミニウム、その他、の4セグメントも減収となり、総じて6,359億77百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
営業損益は、昭和電工マテリアルズセグメントは新規連結により増益となりました。エレクトロニクスセグメントはハードディスクの数量増により増益となりましたが、無機セグメントは黒鉛電極事業の数量減に加え、市況低下に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げの影響により大幅な減益となり、石油化学セグメントも原料ナフサの受払差が悪化したため減益となりました。化学品、アルミニウム、その他、の3セグメントも出荷量が減少し減益となり、総じて営業損益は大幅な悪化となる154億10百万円(同1,247億23百万円減)の損失となりました。また、経常損益は日立化成株式会社株式取得に関する資金調達関連等の一時費用約161億円が加わり367億76百万円(同1,443億64百万円減)の損失となりました。
親会社株主に帰属する四半期純損益は、黒鉛電極事業におけるドイツ製造拠点の閉鎖関連費用50億84百万円を特別損失として計上したこともあり、前年同期と比べ大幅な悪化となる576億54百万円(同1,386億17百万円減)の損失となりました。
セグメント別状況
セグメント別売上高
石油化学 | 1,425 前年同期比 △ 470 |
---|---|
化学品 | 1,130 前年同期比 △ 26 |
エレクトロニクス | 687 前年同期比 △ 13 |
無機 | 613 前年同期比 △ 1,288 |
アルミニウム | 584 前年同期比 △ 153 |
昭和電工マテリアルズ | 1,448 前年同期比 + 1,448 |
その他 | 800 前年同期比 △ 158 |
セグメント別営業利益
石油化学 | 13 前年同期比 △ 120 |
---|---|
化学品 | 93 前年同期比 △ 2 |
エレクトロニクス | 48 前年同期比 + 18 |
無機 | △ 262 前年同期比 △ 1,111 |
アルミニウム | △ 3 前年同期比 △ 17 |
昭和電工マテリアルズ | 28 前年同期比 + 28 |
その他 | 6 前年同期比 △ 3 |
【石油化学セグメント】
当セグメントでは、オレフィン事業は、中国需要の減速による第1四半期の東アジアの需給バランスの軟化、原油価格低下による原料ナフサ価格の低下に伴いエチレン・プロピレン等の製品市況が低下するとともに、当期は誘導品の定修による販売数量減もあり減収となりました。有機化学品事業は、酢酸エチル・酢酸ビニルの定修による数量減に加え市況が低下し減収となりました。なお、東アジアのオレフィン需給は第2四半期から回復傾向にあります。
この結果、当セグメントの売上高は1,425億47百万円(前年同期比24.8%減)となり、営業利益は上期の原料ナフサ価格の低下に伴う受払差の悪化の影響が残り12億84百万円(同90.3%減)となりました。
【化学品セグメント】
当セグメントでは、情報電子化学品事業は、半導体業界の生産回復を受けた数量増により増収となり、前年下期に新規連結したコーティング材料事業も増収となりました。一方、基礎化学品事業は、COVID-19の影響を受けた国内需要の軟化により液化アンモニア、アクリロニトリルは減収となり、クロロプレンゴムは輸出数量が減少し、総じて減収となりました。機能性化学品事業は国内向け・中国向けともに数量減により、また、産業ガス事業は飲料向け等の数量減により、それぞれ減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は1,130億15百万円(前年同期比2.2%減)となり、営業利益は93億24百万円(同2.0%減)となりました。
【エレクトロニクスセグメント】
リチウムイオン電池材料事業はアルミラミネート包材SPALF®の販売量が増加し増収となりました。化合物半導体事業は輸出が増加し増収となりました。ハードディスク事業はデータセンター向け出荷は増加したもののPC向け出荷の減少により減収となりました。SiCエピタキシャルウェハー事業は、国内は電鉄向けを中心に堅調に推移したものの輸出が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は687億21百万円(前年同期比1.9%減)となりましたが、営業利益は48億2百万円(同61.1%増)となりました。
【無機セグメント】
当セグメントでは、黒鉛電極事業は、世界的な鉄鋼生産の鈍化と顧客在庫の取り崩しによる需給軟化を受けて減産を一段と強化したため販売数量が減少し、大幅な減収となりました。セラミックス事業は、自動車・鉄鋼業界の減産を受け研削材等の販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は613億15百万円(前年同期比67.7%減)となり、営業損益は黒鉛電極の市況低下に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げの影響もあり262億10百万円(同1,111億13百万円減)の損失となりました。
【アルミニウムセグメント】
当セグメントでは、アルミ圧延品事業のアルミ電解コンデンサー用高純度箔は、産業機器・車載向け等需要業界の生産調整を受け出荷が減少し減収となりました。アルミ機能部材事業は、世界的な自動車生産の減少、またOA機器・工作機械業界などの需要低減を受けアルミ部材の販売が減少し減収となりました。アルミ缶事業は、国内生産能力の削減に伴い、またベトナム市場はCOVID-19による外出規制によりビール生産が大幅に減少し、それぞれ販売数量が減少し減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は584億38百万円(前年同期比20.7%減)となり、営業損益は2億77百万円(同17億1百万円減)の損失となりました。
【昭和電工マテリアルズセグメント】
本年第2四半期より、昭和電工マテリアルズ株式会社及びその子会社を連結の範囲に含めたことから、報告セグメントを新設し、第3四半期期首より売上高、営業利益を取り込みましたので報告いたします。
当セグメントでは、データセンター等の市場の伸長を背景に、半導体回路平坦化用研磨材料等の電子材料や、銅張積層板等の配線板材料は堅調に推移したものの、COVID-19の影響で、自動車市況が悪化したことにより、樹脂成形品やリチウムイオン電池用カーボン負極材等のモビリティ部材は低迷しました。
この結果、当セグメントの売上高は1,448億40百万円、営業利益は27億88百万円となりました。なお、当セグメントの営業利益には、株式取得に伴って計上したのれん等の償却費約60億円が含まれています。
【その他セグメント】
当セグメントでは、昭光通商株式会社は製品市況の下落や需要低迷の影響等により減収となり、総じて売上高は800億45百万円(前年同期比16.5%減)となり、営業利益は6億17百万円(同34.2%減)となりました。
財務状況
総資産 | 20,720 前期末比 + 9,956 |
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純資産 | 7,262 前期末比 + 2,068 |
自己資本比率 | 20.2% 前期末比 △ 26.2p |
当第3四半期末の総資産は、前四半期末より昭和電工マテリアルズ株式会社及びその子会社を連結の範囲に含めたことにより、総資産は、主に現金及び預金、営業債権、棚卸資産、有形固定資産、のれんが増加し、前期末比9,956億34百万円増加の2兆720億16百万円となり、負債合計は、主に営業債務が増加したことに加え、昭和電工マテリアルズの株式取得に伴う有利子負債の増加により、7,888億83百万円増加の1兆3,458億31百万円となりました。なお、有利子負債残高は6,944億63百万円増加の9,976億55百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上、前期配当金の支払いにより利益剰余金は減少したものの、昭和電工マテリアルズの株式取得に伴う非支配株主への優先株式の発行により非支配株主持分が増加し、総じて前期末比2,067億52百万円増加の7,261億85百万円となりました。
※当第3四半期より有利子負債残高にリース債務を含めており、前期末残高に遡及しております。当社は、日立化成株式会社を株式取得により連結子会社とし、6月末をみなし取得日として連結財務諸表に取り込んでおります。これによる当社連結貸借対照表への影響については第2四半期決算短信を参照ください。
関連情報
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