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 2019年上期は景況感に変化が生じ、米中貿易摩擦等の影響による世界景気の減速傾向が顕在化しました。当社グループが事業を展開する電子材料、自動車、FA・産業機器の各市場も深刻な生産減少・在庫調整局面を迎えました。

 そうした厳しい事業環境の中で、当社グループの上期業績は、売上高および営業利益・経常利益において年初の予想を下回りましたが、無機部門と石油化学部門に支えられ前年同期比では増収・増益を果たし、また、すべての利益段階で上期としては過去最高となりました。
 エレクトロニクス部門は、ハードディスク事業における販売数量が減少し、アルミニウム、化学品、その他の3部門とともに減収・減益となりました。無機部門は、黒鉛電極事業における市況の上昇を受け、売上高および利益が大幅に増加しました。石油化学部門は、前年にエチレン生産設備の定期修理を実施しており、その影響がなくなったため、増収・増益となりました。

 当社グループの業績に大きな影響を与える黒鉛電極事業の状況につきまして、2018年は実需に加え、お客様における在庫積み増しがありましたが、2019年は逆に在庫取り崩しが起こっており、実需よりも発注数量が減少しています。そのため、当社は受注予想に合わせ、年間15%相当量の減産を行います。中長期的に電炉比率・電炉鋼生産が増加するという見通しに変化はなく、2020年には在庫調整が一巡し、需給のひっ迫感が戻ることを想定しています。当下期の販売価格については、見かけの需要減による影響を受けながらも、2017年比で5倍弱と高水準で推移しています。また、原料であるニードルコークスの価格上昇は沈静化し、2020年以降はスプレッドが安定すると見込んでいます。
 当社グループは、昭和電工カーボン・ホールディング社の欧州3拠点(ドイツ、スペイン、オーストリア)において、日本・米国拠点と同じ高品質の黒鉛電極を生産できるよう、設備改善工事および品質向上への取り組みを2019年から2020年まで実施しています。これにより、お客様の電気製鋼炉のサイズや操業条件に合わせてカスタマイズされた黒鉛電極の供給体制を確立し、各拠点において品質を強みとした競争力を発揮することで、統合効果の最大化を図ってまいります。
 当下期から一部の電子材料で回復が予想され、黒鉛電極の市況も高水準で推移していますが、電子材料、自動車、FA・産業機器市場での需要減による減益は避けられず、厳しい半年間になる見通しです。しかし、当下期に見込む「営業利益600億円」が、当社にとってボトムの利益水準であると認識しています。
 この環境悪化局面においても、半期600億円・年間1,450億円の営業利益を確保でき、来年以降回復が見込める状況を踏まえ、中期経営計画3年間で捉えた内容は、期待を裏切らないものになると考えています。
 事業環境の変化による影響が当面続くものの、私たち昭和電工グループは、当期から始動した3ヵ年中期経営計画「The TOP 2021」に基づく取り組みを着実に遂行することで、成長基盤の確立を果たし、すべてのステークホルダーを満足させる会社を実現してまいります。
 今回の中間配当については、2021年に総還元性向30%を目指す中期経営計画の株主還元方針に則り、予定通り1株当たり50円とさせていただきました。期末配当については、同80円を予定しています。
 今後とも当社グループへの厚いご支援を賜りますようお願い申しあげます。

 

2019年9月
代表取締役社長

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